構造設計職の新入社員の皆さん、ご就職おめでとうございます。ちょうど今は研修中で4月中か5月から配属となるのでしょうか。
そんな新入社員の皆さんにアドバイスを送ります。

最初の挨拶
配属の日、その部署で挨拶、自己紹介をすると思います。その時にこのような事を言う人がいます。
「私は褒められて伸びるタイプなので優しく教えて下さい。」 もちろん、これは冗談でウケ狙いと思いますが、上司、先輩には冗談とは受け取ってもらえず、
「この子、大丈夫か?期待出来ないな。面倒な奴だな。」と思われるのは間違いありません。 次に多いのはこれです。
「まずは建築士取得に専念したいと思います。」 もちろん、構造設計を行う上で建築士資格は必須ですが、会社は勉強を教えてくれる所ではなく、勤務時間は建築士試験の勉強をするための時間ではありません。実際に与えられた仕事もこなさずに勤務時間中に建築士試験の勉強をしてるような人が世の中には居ます。このフレーズを言うと上司、先輩からは
「仕事しません宣言か」とも受け取られかねません。 このような挨拶は絶対にNGなので注意しましょう。
では、どのような挨拶が良いですが、このような事を言ってみてはどうでしょうか。
・その会社の設計作品をいくつか挙げ、自分もそのような建物の構造設計が出来るようになりたいと先輩に対しての尊敬、憧れを示す。
・そのために厳しく、ご指導下さいと伝える。 こう言われた方が上司、先輩の気分も良いでしょう。はっきり言って、新入社員の面倒を見るのは負担です。しかし、このように伝えれば先輩の気分も良くなり、育てて上げようとの気持ちになるはずです。
学ぶ気持ち、
いきなり、一人で一つの建物を担当することはなく、先輩が担当する物件の手伝いになるでしょう。二次部材の設計や作図作業と思います。
もちろん、最初から全てが分かる訳はありません。先輩社員も順序を追って、その構造基準の意味や背景も教えてくれるでしょう。
しかし、明らかに「それで、鉄筋何本が正解ですか?」と
結論だけを教えて下さいとの態度を示す人も居ます。
このような態度も絶対にNGです。これでは次に同じ設計をする時も出来ないでしょう。そして、成長もありません。先輩は理解してもらいたいと思い、丁寧な説明をしてるのです。
また、間違っていることを指摘すると「ルールを教えて下さい。マニュアルを作って下さい。」とのことを言う人が居ます。
もちろん、構造設計にも仕様規定や慣例的に決まっている部分もありますが、基本はそれぞれの建物に対し、構造計算と言う手法で性能を確認し、工学的判断にて構造部材を決定する業務です。ルールだけで建物が設計できるものではありません。
力学のことにもルールを求めるようなこと言ったら、新入社員と言えども、構造技術者としてはアウトです。
構造書籍を揃える
判らないことがあると直ぐにネットで調べる人が居ます。
『建築構造設計べんりねっと』を運営してる私が言うものの何ですが、
新入社員が構造書籍を開かずにネットを検索してるとがっかりします。 判らないことはまず、建築学会指針、技術基準解説書などで調べるようにしましょう。
これらの書籍はあなたの会社にもあるはずですが以下リンク先の代表的な書籍は自分で買うようにしましょう。これらを机の上に並べておくだけでも、やる気のある奴とあなたの評価も上がるでしょう。
令和6年度 構造設計新入社員必携!この5冊
posted by 建築構造設計べんりねっと at 16:57|
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