ひび割れ誘発目地の目的
RC造の外壁や土間コンクリートに設けるひび割れ誘発目地の目的はRC造ではコンクリートの材料としての特性上、避けることのできない乾燥収縮、温度変化によるひび割れを目地部分に集中させることで他の部分へのひび割れを防止するものです。
外壁は外気や日射に晒されており、ひび割れが発生しやすい状況です。土間コンクリートは梁に囲まれている構造スラブと比較し、1枚の面積が大きくなるので乾燥収縮、温度変化の影響が大きくなることでひび割れが発生しやすい状況にあります。
ひび割れ誘発目地の弱点
このひび割れ誘発目地ですが良いことだけでなく、以下の弱点もあります。
よって、外壁のひび割れ目地は増打ち部分や内側の鉄筋位置に目地を設け、目地部分はシーリングを行うことで水が浸入しないようにします。但し、シーリングは定期的に補修が必要となります。
土間コンクリートについては部材断面の強度ではなく、地盤の強度で床を支持します。鉄筋もひび割れ防止のためのシングル配筋であることが多いので目地を設けてもかぶり厚も確保でき、強度の低下はありません。但し、外部の土間コンクリートではコンクリート打設後にカッターで目地を設けるのではなく、エラスタイトにより、鉄筋も切断することがサビの発生によるコンクリートの剥離を防止するのに望ましい方法です。
スラブや木造の基礎に誘発目地を設けない理由
スラブにひび割れ誘発目地を設けない理由は上記の弱点によるものになります。
木造の基礎においても常時湿潤状態にある地中にあるため、水の侵入による鉄筋のサビ発生(強度低下)の懸念があるのでひび割れ誘発目地は設けません。
構造スラブ、木造基礎のひび割れ対策
構造スラブ、木造基礎においてもひび割れが発生することがあります。上記の理由により、「ひび割れ誘発目地を設けられないので、ひび割れが発生しても仕方ない」とはなりません。構造スラブ、木造基礎のひび割れ対策を解説します。
構造スラブ、木造基礎において、ひび割れが発生しやすい場所は外気や日射に晒されており、乾燥収縮、温度変化の影響が顕著となる外部です。木造基礎であれば外周部、RC造の構造スラブであれば外部の片持ちスラブです。そして、乾燥収縮、温度変化は部材の長さ方向に影響が大きくなります。つまり、木造基礎であれば、ひび割れは縦方向、RC造片持ちスラブであれば長さの直角方向となることが多いと思います。
コンクリートがひび割れるとはひび割れ方向と直交方向に力が作用したことになります。片持ちスラブであれば配力筋、木造基礎であれば主筋・腹筋方向です。これらの鉄筋を十分に配筋することが対策となります。詳細については日本建築学会「鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針・同解説」を参照して下さい。
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