2023年12月12日

構造一級定期講習は何歳まで受ける?

遅ればせながら、構造設計一級建築士の定期講習を受講しました。もちろん、確認サービスで受講しました。
 確認サービス社の定期講習はインターネット講習と会場講習がありますが、私は確認サービス東京支社が会社から近いので会場受講を選択。本当の理由は会場受講とすれば、その日は仕事が休めるから(笑)

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定期講習はインターネット受講が多い!


 今年度は初年度修了者の受講年度であり、受講者が最も多い年です。過去には申込みが遅くなり、横浜や北千住まで行くはめになった事がありましたが、今回は直前でも申込みが出来ました。
 会場についてみると定員28名に対し、6、7名。おそらく、多くの人はインターネット受講としているのでしょう。良くみると会場は年配の方が多いような。




構造一級定期講習を受講しないと処分される


 以前にもこのブログで記事を書きましたが、構造設計一級建築士の定期講習は受講しないと処分されます。
 建築士法によると一級、二級、木造建築士の定期講習の対象は建築士事務所に所属する建築士となっています。
一方、構造設計一級建築士の定期講習の対象は全ての構造設計一級建築士となっています。構造設計業務を行っていなくとも受講しないとなりません。尚、3年ごとに定期講習を受けないと『文書注意、戒告、業務停止処分の対象』となります。事実、国土交通省のウエブサイトにネガティブ情報として、定期講習受講義務違反で処分された建築士が公開されています。



構造一級定期講習は何歳まで受ける?


 さて、ここで気になったのは定期講習を何歳まで受ければ良いのかです。つまり、定年後です。

 一級建築士は定期講習を受けなくとも、一生、資格を保持出来ます。しかし、構造設計一級建築士には定期講習の受講義務が法律で定められています。
 もちろん、構造設計の仕事をしないのであれば不要ですが、長年、構造設計に携わってきた構造設計者にとって、構造設計は人生そのものであり、資格が失くなってしまうのは寂しい。処分には免許取消はないようですが国交省のウエブサイトに処分として、名前が出るのは名誉に関わる。処分を避けるには免許返上が必要なのでしょうか。

 私の知り合いでも亡くなってしまった方が居ますが、そのような方はどうなるのか。




 構造設計一級建築士の定期講習も建築士事務所に所属する建築士に限るべきでないでしょうか。
posted by 建築構造設計べんりねっと at 07:45| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム

2023年11月23日

4号特例縮小は実施されない!だからこそ、木造住宅も構造計算をすべき!

 令和4年6月17日、4号特例縮小法案が公布されました。過去にも、4号特例については多くの議論があり、歴史的な法改正でした。。。



 令和5年11月1日より、第二回の法改正説明会が行われています。この中では>『各階床伏図等の提出を求めない代わりに、 必要事項を仕様書に記載する形をとる』となっており、仕様書の案も公開されました。

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 開示された仕様書は簡単に言うと「建築基準法を守ります!」との誓約書?のようなものです。建築確認の審査とは建築基準法で規定された仕様通りになっているか、図面・計算書で確認することですが、図面の添付が不要と言うことは実質審査なし、4号特例の継続です。

 なぜ、このようになってしまったのでしょうか。建築業界からの抵抗でしょうか、審査機関側が対応できないと判断したのでしょうか。それとも、物価高騰が続く状況の中、更に住宅価格が高騰するのと避けるためでしょうか。




 4号特例縮小に至った経緯としては以下とされています。
  • 断熱材や省エネ設備の設置といった省エネ化に伴って、建築物が重量化している。壁量が実態に合わなくなってきており、地震時に倒壊リスクがある。
  • 多様なニーズを背景として、大空間を有する建築物が増加しており、積雪時に倒壊リスク等が高まる恐れがある。
  • 審査省略制度(4号特例)を活用した多数の住宅で不適切な設計・工事監理が行われ、構造強度不足が明らかになる事案が断続的に発生している。


  •  耐震性に大きく影響する壁量規定は強化される事になりますが、構造の安全性はこれだけではありません。つまり、これらは改善されないことになります。大げさに言うと国民の安全は守られないことになります。

     4号特例とは建築確認における審査省略制度であり、建築士、設計者の性善説に基づく制度です。国民の安全を守るのは国土交通省ではなく、建築士・設計者です。
     心ある建築士・設計者に期待します。こんなタイミングだからこそ、木造住宅も構造計算を行い、設計するようにするべきではないでしょうか。



    posted by 建築構造設計べんりねっと at 20:04| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム

    2023年10月28日

    構造設計者も40代が不足。。。どうなる構造設計業界、どうする若手構造設計者!

     9月14日、日経クロステック/日経アーキテクチュアで「設計事務所の年齢構成分析、高齢化や40代不足が課題」との記事がありました。



     所員数が100人を超える設計事務所を対象に所員の年齢構成を分析した結果、50代が多く、高齢化や若手、中堅の不足が問題となっているとのことです。50代は高齢ではないですが、高齢化は日本社会全体の問題であり、数年後には更に高齢化が進むことは明らかです。
     ここで問題は仕事を一番バリバリ行い、若手の指導も担う中堅の不足です。つまり、現状、仕事の処理に支障が出ており、若手の育成もできず、今後は更に生産性が下がることが予想されるのです。

     これは構造設計者、構造設計業界にとっても同じでしょう。

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    なぜ、40代が少ない?


     そもそも、なぜ、40代が少ないのでしょうか。現在の40代は昭和49年(1974年)から昭和58年(1983年)に生まれています。1971年から〜1974年は第2次ベビーブームとして出生数の山があり、以降は減少していますが、この年代が特別少ない訳ではありません。
     現在の40代が就職活動を行う大学4年生時は1996年から2005年となりますが、この時代は日本経済も下落傾向であり、採用する人数も減っています。これが影響しています。
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     現在の50代後半の就職時期はバブル経済期であり、第2次ベビーブームの世代であることから就職人口も多く、各社とも大量に採用を行いました。この反動による調整もあります。

     建築業界も大きな影響を受けた業種の一つです。確かに自分の廻りを見ても40代が少なく、多くの会社が同じ問題を抱えています。この年代を補充しようにも居ないのです。
     そのため、この年代には多くの負担がかかっています。40代と言えば、管理職になる人も多い年代ですが上が詰まっているため、上がれない。人も少ないので仕事が多い。若手の育成も出来なく、負のスパイラルです。




    従業員エンゲージメント、働き方改革により、更に悪化。


     以降は建築業界も人が増えているものの、人が育っていません。現在、日本は慢性的な人手不足であり、従業員の確保は企業にとって、大きな課題です。時代も変わり、転職も当たり前となっています。会社は社員のつなぎ止めに必死です。従業員エンゲージメント(満足度)など言う社員への迎合の風潮もあり、若手には厳しいことも言えず、人材が育っていません。働き方改革による業務時間の減少も人材育成に悪影響を与えています。

    どうする若手構造設計者!


     数年すると現在の50代が抜け、現在の40代がトップとなることになります。この年代は十分な指導も受けており、実力もあります。人数も少ないので多くが上層部となります。しかし、現在の30代以降が業務の中心となると生産性は下り、企業、事務所の業績は厳しいものになるでしょう。これは多くの企業で認識され、若手育成が重要経営課題となっています。

     しかし、若手の育成が重要課題などと言っている現在の50代の言葉などを間に受けてはいけません。
     この問題が顕在化する時は現在の50代は居ません。一種の流行りとして、このような事を言っているだけで本気で対応しようとは思っていません。

     自分の身は自分で守るしかありません。自分で確かな技術力を身に付ける取り組みが必要です。業務時間に制限のある中、会社、事務所での勉強では限界があります。業務時間外で知識、技術力を高める取り組みを行う必要があります。そして、その知識、技術力は使ってこそ、身に付きます。仕事が多いのは嫌、在宅勤務の方が楽で良いなどと思っていてはダメです。
     このような取り組みを行った人が残します。このような風土がある会社が生き残ります。意識高い系の若手は既に動いています。

    posted by 建築構造設計べんりねっと at 20:26| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム