2019年12月01日

構造設計一級建築士の定期講習を受講しないと本当に処分される。

建築士法では、全ての構造設計一級建築士は3年ごとに定期講習を受けないと『戒告または2ヶ月間の業務停止処分の対象』となっています。
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ここで注意しないとならないのは、構造一級は、「全ての」となっていることです。

一級、二級、木造建築士の定期講習は、建築士事務所に所属する建築士となっています。例えば、設計業務をしない工事管理技術者は定期講習の受講は不要ですが、構造一級は、構造設計をしていない人でも定期講習を受講しないとならないのです。





「構造設計一級建築士を取得したけど、今、構造設計業務はしていないので、定期講習は受けない。構造設計業務をすることになったら、その時に受ければいい。」


アウトです!

「法律にはそう書いてあるけど、処分なんて実際にはないだろう。」

実際に処分され、公表されている人が多数、居ます。

国土交通省のウエブサイトにネガティブ情報検索システムとして、処分された建築士が公開されています。

http://www.mlit.go.jp/nega-inf/cgi-bin/searchmenu.cgi?jigyoubunya=ikkyuu

その中には、定期講習未受講との事例が多数あります。

運転免許には、6ヶ月以内であれば正式な失効にはならない“うっかり失効”と言う制度がありますが、建築士定期講習には、うっかり失効はありません。

構造設計一級建築士の皆さん、忘れずに受講しましょう。


posted by 建築構造設計べんりねっと at 14:21| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム

2019年10月26日

「さくら構造インターンセミナー」動画を見て思う。構造設計事務所は人材を大手に売り込む事業をしたらいい

YouTubeでさくら構造のインターンセミナーがアップされています。

田中社長が構造設計業界について、語っています。さくら構造の内部の事については私は判りませんが、構造設計業界、各業種(構造設計事務所、総合設計事務所、ゼネコン、ハウスメーカー)についての実状はまさにその通りと思います。



・総合設計事務所では構造設計の部署は少人数。
・ハウスメーカー、中小ゼネコンでは育成環境がない。中途社員に頼らざるを得ない。
・審査機関も中途社員が中心。

なぜ、これらの会社で育成環境がないと言うとコスト(経費)を考え、構造設計は外注が中心であり、自ら設計する機会が皆無だからです。

業務は協力構造設計事務所への発注、構造設計内容のチェック。

ですが、自分で構造設計が出来るスキルを修得していないのに他者の設計をチェック出来るわけがありません。決められた項目について、チェックリストに従い、確認するだけです。大きな会社ほど、業務効率化に対する取り組みが進み、チェックリストのようなものが充実されます。工学的判断、技術力を養うよりもこのようなものを作る事が業務として、優先されるのです。

若手技術者もチェックリストがないと何も出来なくなるのです。むしろ、チェックリスト、マニュアルを作って下さいとの要求をするようになっています。



構造設計業界に関らず、どこの会社も人材育成は重要な課題です。経営課題です。人材育成が出来ない会社は衰退していくのは明らかです。
ですが、ハウスメーカー、中小ゼネコンでは構造設計者の人材育成が出来ない。若手を育成しようにも働き方改革とかで十分な時間も確保できない。

このような実状を考えると構造設計技術を身に付けるには構造専業設計事務所が一番の近道。と言うか、他では、かなり困難と言わざるを得ません。働き方改革とは無関係な組織で。

いっその事、構造設計事務所は人材を育成し、大手に高値で送り込むことを事業にしたらいい。


posted by 建築構造設計べんりねっと at 22:20| Comment(1) | TrackBack(0) | コラム

2019年09月24日

働き方改革。これでいいのか?、構造設計業界!

2018年4月に働き方改革関連法案が可決、成立しました。その後、私達、構造設計者の働き方も変わりましたが、良い方向に向かっているのでしょうか?
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●残業時間の上限規制
●有給休暇の消化義務化
●多様な働き方の実現


確かに子育てや介護などで長時間働く事が出来ない事情がある方も活躍出来る状況は良いことです。

他方、働き方改革の実態は以下のようではないでしょうか。

・労働時間は減りました。(会社、社会が長時間労働を認めない。)
・仕事の量は変わりません。
・仕事の納期も変わりません。






今までよりも短い時間で同じ仕事をこなさないとならない状況です。その結果、どうなったかと言うと、一人一人の能力は急には変わりませんので、何かを削ることになります。

構造設計業務で言ったら、検討項目やチェックの時間を削るしかありません。品質は確実に落ちます。百歩譲って、品質は許せても、安全性を落とす事は許されませんが大丈夫でしょうか?

また、若手技術者の育成、成長の面でもデメリットがあります。
今までは、出来るまで、分かるまで、その設計に取り組む事が出来たのが今は、本人が望もうとも、その時間を与える事は出来ません。
短い時間で仕事を処理出来るベテランにばかり、仕事を廻すしかなくなり、労働時間の削減と共に若手技術者の成長に機会も削減されています。ベテランが多忙になり、若手技術者を育成する時間も削減されています。

労働時間の削減で出来た時間で事故研鑽に励む事も出来るのでしょうが、業務時間外に会社に居る事も許されません。やはり、構造設計プログラムや各種文献のある会社でないと出来ない事も多くあります。

構造設計の若手技術者の方、これでいいのですか?

労働時間短縮を厳しく言われるのは、大きな会社であり、設計事務所では、まだ、変わっていないでしょう。

今後、ゼネコンやハウスメーカーなど大きな会社の構造設計技術者は、設計事務所の技術者と大きな技術力の差がつくのでしょう。

労働環境が大きく違うと思うと、設計事務所を希望する若手技術者も減っていく可能性もあります。

今後の日本の構造設計業界が心配です。

posted by 建築構造設計べんりねっと at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム