2023年09月01日

2025年 4号特例縮小が骨抜き?

 8月7日、改正建築物省エネ法・建築基準法の円滑施行に関する連絡会議が開催され、議事が公開されました。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000168.html

 議題の中には「確認審査対象の見直しに伴う提出図書等の合理化」が入っています。

国土交通省_画像.jpg

 2階建300u以下、平屋建て200〜300uの木造建物は建築確認での構造審査対象となり、構造図一式と壁量計算、金物N値計算、4分割法計算、その他仕様規定の確認が必要となる見通しでした。

しかし、連絡会議の資料によると『各階床伏図等の提出を求めない代わりに、必要事項を仕様書に記載する形をとる』となっています。





仕様書とはチェックリスト的なものなのだろうか。設計者(申請者)が「○○は□□の仕様とします。」と記載し、それを審査機関が確認するのだろうか。この文言は「建築基準法を準拠します。」との宣言するのと同じようなものであり、これを確認出来るのが構造図であり、それを確認するのが確認審査である。

 現状の4号特例(審査省略制度)も設計者の性善説、責任に基づき、構造審査を省略する制度であるが、これと全く変わらない。

 合理化とは聞こえが良いが、4号特例縮小が骨抜きにされたのと同じである。

 2020年、建築士法改正(建築士事務所の図書保存の見直し)により、確認申請に必要な構造図書は全て揃っている事になっている事になっていますが、不完全なものであり、確認審査には耐えられないものと認めたのと同じである。

 尚、この資料では右上に未確定と記載されたページとされていないページがある。提出書類の合理化については記載がない。つまり、決定である可能性が高い。




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2023年07月02日

国土交通省による構造設計のサンプル調査が行われます。

 6月21日、国土交通省が確認済証の交付を受けた建築物の構造設計のサンプル調査を行うと発表しました。サンプル抽出された建築物に対し、構造再計算等による構造関連基準への適合性の検証が行われます。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_fr_000165.html

国土交通省_画像.jpg

 目的は以下とされています。

・検証結果を踏まえた構造設計に係る留意事項を作成
・建築構造に係る不正、違反等を抑止
・構造設計者の質の向上を図る






検証作業は具体的には以下が実施されます。
・構造再計算による出力データの再現性の検証
・図書間の整合性の検証、モデル化、耐力式、係数等の妥当性の検証等


 留意事項の作成等に当たっては個人、建築物等の情報が特定されることのないようにするとの事ですが、当然、違反があった場合は是正指導が行われることとなります。設計者にも何らかの連絡が来ることでしょう。
 建築確認が下りた、建物が完成したから、OKではなく、構造設計者はこのような調査が行われることも意識し、日々の構造設計業務に対し、真摯、十分なチェックを実施し、取り組むことを再度、認識しましょう。



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2022年11月03日

建築基準法改正で木造の必要壁量が2倍になる!?

 10月28日、国交省より、施行令第46条の改定案が出されました。

木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要

補足資料





 昨年12月に出されましたパブリックコメントでも「断熱材や省エネ設備の設置といった省エネ化に伴って、建築物が重量化している。壁量が実態に合わなくなってきており、地震時に倒壊リスクがある。」との内容が出されており、この事に対する改定案です。

 国交省の資料によると以下の三つの方法が示されています。

方法@:個々の建築物の荷重の実態に応じて現行規定より精緻に検証する方法

方法A:現行規定と同様に簡易に確認する方法

方法B:構造計算により安全性を確認する方法






 方法@とは建物の実状に応じた地震力を算定し、必要壁率を求める方法です。地震力を算出するのであれば、あえて壁率に置き換える意味が分かりませんが。。。
 方法Bは構造計算によるため、壁量検討については基本、方法@と同じです。尚、この場合は壁量の仕様規定は除外されます。

必要壁量が今までの2倍程度になる?!


 方法Aによる必要壁率は以下は示されています。
必要壁率.png

 一般地域における通常の木造住宅の場合、2階が2.07倍、1階は1.83倍の壁量となってしまいます。
 通常の木造住宅では、2階部分は壁量に余裕があるかとは思いますが、1階は必要最低限の壁量しか確保されていないのが殆どと思います。これが1.83倍になるとプランにも大きく影響する事になるでしょう。

 様々な仕上げに対する国交省の試算がありますが、この壁率は瓦屋根(重い屋根)、土塗り壁(重い壁)の場合となっています。よって、住宅で一般的なスレート屋根(軽い屋根)、サイディング貼り(軽い壁)に対してはかなり過剰な数値となっています。
 元々、施行令46条では重い屋根と軽い屋根で壁率が違っていますので少なくとも2区分に分ける事が必要ではないかと思います。

設計者はどう対応する?


 この壁量検討は方法@、Bにある実状に応じた地震力を直接、算出する方法もあります。既に公布されている改正建築基準法では多くの木造2階建て住宅は300uを超える事はないため、仕様規定の確認(壁量計算)となっています。

 ここには今まで通り、構造設計者が関与することはなく、意匠設計者による対応となります。よって、地震力の算出が出来るかどうは疑問です。
 大手ハウスメーカーによる建売住宅以外はかなりプランに制約が出る事なるのではないでしょうか。






 この施行令の改定案は今後、パブリックコメントを経て、令和5年秋頃に交付予定となっています。尚、施行日については令和7年4月予定となっています。


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