●3階建以上または延べ面積300u超え:許容応力度計算
●2階建以上または延べ面積200u超え:仕様規定の確認
構造計算対象外でも構造計算プログラムが必要になる
確認申請に添付する構造計算書を作成するには当然、構造計算プログラムが必要です。そして、今後は戸建て住宅などの構造計算の対象とならない2階建以下かつ延べ面積300u以下の建物においても今後は構造計算プログラムが必要となります。
今回の法改正では従来の壁量計算(四分割法含む)、金物N値計算に加え、柱の小径計算が追加されました。問題なのが、この柱の小径計算です。この検討を行うには柱の負担面積を計算する必要があります。上下階が同じ形であれば計算も難しくはありませんが、上下階で形状が違うと
計算がかなり面倒です。この検討を行うための表計算ツールも公開されていますが、Excelベースであり、任意形状の建物を自動認識し、自動計算が行われるものではありません。
構造設計者であっても、これを手計算で行うのはかなり手間です。この規模の設計を行うのは構造設計専業の設計者ではなく、意匠設計者が行うのがほとんどと思いますのでこの検討をスムーズに行うには構造計算プログラムの利用が必要不可欠となります。
木造の構造計算プログラムも大きく分けて、二つのカテゴリになります。一つは建物全体の許容応力度計算を行うものです。もう一つは仕様規定による検討のみを行う簡易なものですが、このプログラムを使用することになります。
構造計算プログラムメーカーの対応状況
代表的な木造構造計算プログラムメーカーの対応状況は以下となっています。
【KIZUKURI/コンピュータシステム研究所】
https://www.cstnet.co.jp/archi/products/kizukuri/index.html
KIZUKURIは最もシェアが多い木造構造計算プログラムですが、許容応力度計算プログラムのみで仕様規定検討のプログラムはありません。
2024年9月にインターフェース、入力方法の変更が行われています。この変更は「2025年に控えた法改正等による環境の変化を踏まえ」とありますが、本日現在、法改正の内容は盛り込まれていません。
【ARCHITREND(アーキトレンド)/福井コンピュータアーキテクト】
https://archi.fukuicompu.co.jp/sys_img/tp_of_detail/_DL_855.pdf
2024年10月に法改正に対応したバージョン(Version11)がリリースされています。新基準に対応した壁量計算、柱の小径検討の他、伏図省略のための『仕様書作成機能』も搭載されました。
【ホームズ君構造EX/インテグラル】
https://www.homeskun.com/products/homeskzex/
2024年10月、必要壁量、柱の小径検討など、2025年改正建築基準法にいち早く対応したのがホームズ君構造EXです。
【DRA-CAD 2025/構造システム】
https://www.kozo.co.jp/topics/tpi_20250114/index.html
構造システムではスタンダードな木造建物の許容応力度計算を行うHOUSE-ST1、不整形な建物も扱えるWOOD-ST、そして、4号建築物を対象とした仕様規定の検討を行うHOUSE-4号のラインナップがありました。2024年8月、HOUSE-4号が販売終了となり、どうなるのかと思っていたら、DRA-CAD 2025に木造仕様規定の検討機能が追加されました。
新しい壁量計算、金物検討、柱小径検討も当然出来ます。


意匠設計者が構造計算プログラムを使うのは多少、ハードルがありますが、CAD機能であれば取り付きやすいのではと思います。
尚、HOUSE-ST1もVer.9にて対応法改正対応が行われます。
https://www.kozo.co.jp/program/kozo/house/house-st1/index.html?utm_source=km-nbus7&utm_medium=data_link
【ASTIM/壁量/アークデータ研究所】
https://archdata.co.jp/seihin.html#hastimkaberyo
アークデータ研究所の木造構造計算プログラムASTIMには仕様規定の検討を対象としたASTIM/壁量がありますが、本日現在、法改正対応の情報はありませんが今後、対応が行われると思います。構造計算プログラムの入力は完全に実状通りに入力するのが難しく、モデル化が必要ですが、アークデータ研究所のプログラムは自由度が高いので複雑な形状の建物も扱えます。
【STRDESIGN(ストラデザイン)/富士通Japan】
https://www.fujitsu.com/jp/group/fjj/solutions/industry/construction/construction/strdesign/#anc-03
ストラデザインについては本日現在、法改正対応の情報はありません。