2020年03月06日

日本に構造設計者は今、何人いますか?構造設計者は足りているの?

 日本の構造設計者の数を調べてみた。
 構造設計一級建築士制度が始まり、10年が経った。構造設計者は増えているのだろうか?減ってきているのだろうか?

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平成22年調査では16,511人
 平成22年に建築構造設計べんりねっとで調査した際、日本の構造設計者の人数は16,511人と推定しました。
 内訳は以下の通り。

・平成20年(初年度) 構造設計一級建築士受験者数:12,044人
・一級建築士のうち、構造設計一級建築士受験資格(実務経験年数)に満たない構造設計者:1,128人
※平成18〜21年、一級建築士合格者16,592人における構造設計者の割合6.8%(平成22年実績)から算出
・資格未取得の構造設計者:3,339人
※平成22年、一級建築士受験者数38,476人と製図試験からの受験者数4,891人のうち、構造設計者の割合7.7%(平成22年実績)から算出。

 一説によると20,000人とも言われているが、資格取得にも取り組まない人は構造設計者とは言えない。

現在の構造設計者数は?
 では構造設計一級建築士制度が開始され、10年が経った今はどうなっているだろうか?

・構造設計一級建築士の累計:10,582人
・令和元年度 構造設計一級建築士不合格者:554人
・一級建築士のうち、構造設計一級建築士受験資格(実務経験年数)に満たない構造設計者:1,244人
※平成27〜30年、一級建築士合格者14,639人における構造設計者の割合8.5%(令和元年度実績)から算出
・資格未取得の構造設計者:2,512人
※令和元年、一級建築士受験者数25,132人と製図試験からの受験者数4,422人のうち、構造設計者の割合8.5%(令和元年実績)から算出。

合計では14,892人となる。
構造設計者は減ってきているのか?構造設計者を志す人の数は?
 平成22年の約16,500人に対し、令和元年は約15,000人弱と約1,500人少なくなっている。構造設計者は減ってきているのか?もう少しデータを分析してみる。

 令和元年における構造設計一級建築士累計は10,582人。
 初回である平成20年の受験者数の12,044人に未だ届いていない。初回の受験者には構造設計を業務としていない自称構造設計者も多く含まれていたのだろう。

 では減っているのか、増えているのかを考えてみる。

 構造設計業界も他の業種と同じく就労人口が減少傾向なのは避けられない。平成22年では一級建築士の受験者数が40,000人程度だったものが令和元年は25,000人程度と減少している。40%近くの減少です。
 一級建築士受験者のうち、構造設計者の比率としては6.8%から8.5%と増加しているが、総数としては2,720人から2,125人と約22%減少している。

構造設計を断念する人の数
 過去5年間の一級建築士データによると合格者のうち、構造設計者は平均310人です。
※過去5年間の一級建築士合格者数18,210人、構造設計者の割合8.5%より

 つまり、毎年、310人の構造設計一級建築士の受験資格を取得する人が増えている。構造設計一級建築士の過去5年間のデータでは受験者は平均814人、合格者は平均241人です。この数も概ね一定である。

 つまり、毎年、70人が一級建築士は取得したが構造設計と言う仕事を諦めていると言うことだ。約23%は断念した事になる。




 一級建築士を取得できず、断念する人も居るがそこは構造設計どころか、建築に適性がないと言うことだ。

構造設計者の数は減少している
 以上の結果からすると10年で新たに構造設計者となる人の数は468人、約3%減少している。また、残念ながら、引退される人も大きくいるでしょう。とすると10年で5%は減少していると思われます。

構造設計者は足りているのか?これから、どうすべきか?
 構造設計者は他の業種と同じように減少傾向です。では建築着工数はどうかと言うとその年の景気に左右されるものの、減少傾向とは言えません。

 とすると将来、構造設計者は安泰というとそうではありません。

 他の業界と同じようにAIやITによる効率化が求められ、その対応が出来ない構造設計者は取り残されていくのです。

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2020年02月14日

建築設計業界へのコワーキング導入

 最近、コワーキングスペースなるものが増えている。ようは1日2000円とかを払って使用するレンタルオフィス、レンタルスペースのようなものだ。
Wi-Fiやプリンターが使えるサービスもある。
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誰がこんな所を使うのだろう?
 テレワーク?外出先でちょっと仕事するなら、ドトールで十分。わざわざ、お金を払うより、事務所に戻れば済むこと。
そもそも、コワーキングって、なに?
Wikipediaで調べてみると、
コワーキング(Coworking)とは、事務所スペース、会議室、打ち合わせスペースなどを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルを指す。一般的なオフィス環境とは異なり、コワーキングを行う人々は同一の団体には雇われていないことが多い。通常、在宅勤務を行う専門職従事者や起業家、フリーランス、出張が多い職に就く者など、比較的孤立した環境で働くことになる人が興味を持つことが多い。


 コワーキングは独立して働きつつも価値観を共有する参加者同士のグループ内で社交や懇親が図れる働き方であり、コスト削減や利便性といったメリットだけではなく、才能ある他の分野の人たちと刺激し合い、仕事上での相乗効果が期待できるという面も持つようです。

 なるほど、共有スペースで生まれる交流により、情報交換や協働などの相乗効果が期待できると言うメリットがあるのですね。
建築専門のコワーキングスペースが出来たら、良いのに
 でも、全く関係ない業種の人ばかりでは効果も少ない。建築専門のコワーキングスペースが出来たら、良いかもしれない。
 意匠、構造、設備のそれぞれの設計者がいる。お互いに相談し、協働する。気があった人に仕事を頼む。SNSなど、ネット上で出来ないことでもないですが、やっぱり、実際に接することの効果は大きいでしょう。

構造設計一級建築士の勉強にも使える。
 ネットで調べたら、法人がテレワークで利用したり、受験勉強などにも使われているらしい。

 構造設計一級建築士の資格取得勉強にも使えそうだ。家族が居たりすると家では勉強に集中できない。ドトールに3時間も居るわけにもいかない。

都内ではどこにコワーキングスペースがある?




「ビズコンフォート」はコワーキングを専門に展開している会社です。都内だけでも30箇所以上のコワーキングスペースがあります。月額2000円からと格安。


レンタルオフィスの大手「リージャス」です。こちらも多くのコワーキングスペースを展開しています。
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2020年02月06日

構造設計一級建築士が多い会社ランキング │ 資格者数から見た構造設計技術力

 構造設計一級建築士の多い会社のランキングを調べてみました。ベスト10は以下の会社です。(2018年9月調査)
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1位 竹中工務店 220名
2位 清水建設  178名
3位 鹿島    160名
4位 大林組    153名
5位 大成建設  142名
6位 大和ハウス 102名
7位 日建設計   91名
8位 NTTファシリティーズ 59名
9位 フジタ    41名
10位 日本設計   40名






 1位から5位まではスーパーゼネコンと呼ばれる大手五社が占めています。構造設計一級建築士の約10人に1人がスーパーゼネコンの社員です。
 
 1位は竹中工務店の220名(2020年現在は228名)
凄いですね!
 構造設計一級建築士の受験資格(年数)に届いていない若い社員を含めると300名近くの構造設計技術者を抱えているのでしょう。

 スーパーゼネコンに続いて、6位は大和ハウス工業の102名です。会社規模自体が大きいとは言え、同業である積水ハウスの14名に対して、大きく差を付けています。

7位から、日建設計の91名など大手総合設計事務所がランキングしています。

 構造設計専業事務所はと言うと大手三社の織本構造設計 23名能勢建築構造研究所 14名とやや少なさを感じます。総合ランキングでは25位以下となります。

 もちろん、構造設計一級建築士=優秀な構造設計者ではないでしょう。
しかし、構造設計一級建築士の人数=その会社の総合的な構造設計技術力とは言えるのではないでしょうか。

 オマケですが、日本で一番、一級建築士が多い会社は積水ハウスの2,875名です。(2019年4月1日現在)




posted by 建築構造設計べんりねっと at 07:22| Comment(0) | TrackBack(0) | レポート