2025年05月05日

木造法改正で関連商品が多数でた

 2025年4月に建築基準法が改正され、木構造の取り扱いが大きく変わりました。当然、構造計算プログラムはバージョンアップされたが、他にも木造関連の商品が一気に出されました。



一番多いのは木構造関連の書籍


 2月頃より木構造関連の書籍が続けて出版されました。



建築の仕組みが見える05力の流れがわかる木構造入門 [ 山辺 豊彦 ]

木質系耐力壁形式構造に関するQ&A第2版 [ 日本建築学会 ]

木構造標準図も売れている


 そして、木構造の標準図も売れています。
 正直、標準図はなくても建物は作れないこともないが法律で構造図に明記すべき事項を満足するには標準図が必要。今回改正の4号特例の縮小前から構造図は作らないとならないものであったが急にこれが売れていると言うことは今まで適正な図書になっていなかったのか。それとも法改正を機に木構造を始めた人が増えたのか。

『木造標準図』
商品区分:ダウンロードソフト
価格:5,500円(税込)
メーカー:一般社団法人東京都建築士事務所協会

基礎地盤も確認審査対象


 法改正後、基礎地盤の検討も確認申請に提出が必要になりましたが、建築構造設計べんりねっとでは木造住宅の設計に携わる設計者を対象とし、沈下させない、経済的な基礎地盤の設計方法を解説する書籍をリリースしました。
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著 者:建築構造設計べんりねっと
発売年月日:2025年5月
価 格:1,500円(税込)
形 式:PDF、全58ページ

 これを機に木造構造設計を始めてみようと思う方は是非、どうぞ!





posted by 建築構造設計べんりねっと at 06:16| Comment(0) | TrackBack(0) | レポート

2025年04月27日

建築基準法改正の混乱が始まる!?

 改正建築基準法が施行されて、約1ヶ月。当初は確認申請もスムーズに進んでいたが、詰まってきた感がある。今後、どのようになるか!?
確認審査.jpg

駆け込み着工で申請が一時的に減少


 ご存知の通り、改正建築基準法が適用されるのは2025年4月1日以降に着工した建物です。このため、3月31日までに着工しようとする動きが多少、ありました。3月度の建築着工統計はまだ、発表されていませんが、2月度は前年比プラス2.4%と増えました。物価高による消費者マインドの低下、継続的な住宅着工数の減少により、2024年はリーマンショック以来の80万戸割れとなっている中での増加です。
 また、法施行直前に出された「またぎ物件」の取り扱いにより、着工出来なかった物件の再申請もありませんでした。

 このため、4月当初は申請数も多くなく、スムーズに流れていました。しかし、徐々に申請物件の数が溜まってきました。





構造審査は順調、省エネ審査で停滞


 改正建築基準法で構造設計、構造審査に関わる所では構造計算対象の拡大、審査省略特例(旧4号特例)の大幅縮小が行われました。構造計算対象の拡大の影響は木造では数%程度であり、今までの構造審査担当者が十分に対応出来ています。
 仕様規定で申請する範囲は意匠審査担当者が審査している審査機関が多いですが、申請図書の合理化?と言う実質、審査省略が続いています。定型な仕様表を提出することで構造図の添付が省略されます。また、壁量規定の強化などの改正も基となる必要壁量の審査も行われません。
 確認審査機関の担当者も「見るところがないので指摘もありませんよ」と言っている。



 では何処で審査が詰まってきているかと言うと省エネ審査です。これが全ての建物に実施されます。また、全建物の70%以上を占める木造住宅を中心とした旧4号建築物で行われていなかった構造審査も意匠審査担当者が実施している事も影響しています。

今後の動向は?


 何処の審査機関のウェブサイトを見ても、大きく審査担当者の募集が出されています。申請数に対し、審査担当者の数が足りていないのは明らかです。
 審査の混乱はこれから本格的に始まると思います。一般のニュースでも取り上げられた後は第二弾、三弾の審査の合理化???と言われる審査の簡略化(省略)が出されることでしょう。

いっそのこと再度、法施行を延期しては


 過去にも閣議決定した4号特例廃止を無期限延期にしたこともあります。混乱があるようだったら、いっそのこと一旦中止にして、再度、延期にしてはどうだろうか。

 構造設計に関する法改正の目的は以下の改善であったはずです。
・壁量が実態に合わなくなってきており、地震時に倒壊リスクがある。
・多数の住宅で不適切な設計・工事監理が行われ、構造強度不足が明らかになる事案が断続的に発生している。

 しかし、“合理化?”と言う申請図書の省略、壁率の審査も行わないなど実質は変わっていないのです。中止、廃止にしても変わりません。



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2024年11月02日

2025建築基準法改正(4号特例縮小)/構造詳細図は必要???

 2022年6月に公布された改正建築基準法の施行まで半年をきり、10月21日より国土交通省による設計等実務講習会が開催されています。講習会の資料である「申請・審査マニュアル」では確認申請図書の作成例が示されています。
審査マニュアル.png

 木造戸建住宅を中心とした「仕様規定のみで構造安全性を確認するもの」に対して、確認申請に添付が必要な図書は以下となります。





@使用構造材料一覧
A基礎・地盤説明書
B構造詳細図
Cその他適合審査に必要な図書
D仕様表等


 提出図書の合理化???として、仕様表を添付することで基礎伏図、小屋伏図、各階床伏図の添付が不要になるものとなっています。その他適合審査に必要な図書とは壁量計算(四分割法含む)、柱小径の検討、金物の検討(N値計算等)となります。

 さて、疑問であるのは“構造詳細図”です。申請・審査マニュアルの確認申請図書の作成例では以下の5枚の図面が提示されています。
構造詳細図.png

 内容としては一般的な仕様を記載した標準図です。作成例では該当しない部分に斜線が引かれています。枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の構造詳細図については、なんと11枚にもなります。



 基礎伏図、小屋伏図、各階床伏図の添付がないので、その仕様がどの部位に当たるのかは分かりません。それがある部位の仕様として適切なのかも分かりません。このような図書を審査して意味があるとは思えません。

 設計等実務講習会でも、説明があった通り、法改正後は中間検査、完了検査において、構造関係規定の適合が
検査対象となります。標準図を持って、「この仕様はどこですか?」と順番に確認するようなことを行うので
しょうか。非常に意味のない無駄な作業です。

 労働人口の減少、実質賃金が下がっている現在、労働生産性の向上が求められていますが、全く逆のことです。


posted by 建築構造設計べんりねっと at 07:14| Comment(0) | TrackBack(0) | レポート