2020年01月14日

【要注意】構造設計一級建築士の実務経験(5年)として認められるもの、認められないもの





 令和元年12月、一級建築士の合格発表の日にこんなニュースが出ました。
大和ハウスが国家資格「施工管理技士」の試験で、社員349人が不正に合格していたと発表した。受験には一定期間の実務経験が必要だが、会社がチェックをせずに「証明書」に押印していた。国土交通省によると過去最大規模の不正といい、今後、合格を取り消し、受験を最長3年間禁止するとした。

 今後、資格試験における実務経験のチェックが厳しくなることが予想されます。構造設計一級建築士を受験する方も注意が必要です。

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構造設計一級建築士の実務経験として認められるもの
 構造設計一級建築士資格取得の実務経験として、認められるのは基本的に以下の業務になります。

・構造設計の業務
・確認審査等の業務( 建築物の構造に関するものに限る。 ) 及び、その補助業務
・構造計算適合性判定 及び、その補助業務
・工事監理の業務(建築物の構造に関するものに限る。 )


 ここで注意が必要なのは、平成26年度の講習から、平成25年10月以降に携われた設計補助業務や、工事監理の補助業務については、認められなくなったと言うことです。
構造図面の作成のみは実務経験になりません。

尚、以下の業務は認められます。
・建築基準法第88条に掲げる工作物の構造設計
・耐震補強の設計業務や工事監理
構造設計一級建築士の実務経験として認められないもの
 実務経験として、認められないものの例としては以下が上げられています。

・土木関係の業務
・構造計算プログラム作成業務
・大学等や研究機関等での教育、研究
・耐震診断業務

 耐震診断は補強設計まで行えば、実務経験になりますが、耐震診断のみでは実務経験にはなりません。

 大学の先生は高い技術、知識を持っていても実務経験を得ることは出来ないのです。我々、構造設計者は、この方々の作った理論、基準で構造設計をしているにも係わらず。
これは実務経験になる?ならない?
 他にも構造設計技術者が携わっている業務としては多数ありますが、どうなのかを考えてみます。



●工法の開発(大臣認定、評定の取得を含む)
・研究とするとNGか。
・建築物の工法開発であればOKだろう。
・ある部位のみ(柱脚、基礎)の工法はNGなのだろうか?
ゼネコンやハウスメーカーには、このような構造技術者もたくさん居ます。

●建材メーカー、サブコン、建設コンサルティング、不動産デベロッパー、金融機関、保険会社での業務
 これらの会社にも構造技術者は居ます。しかし、これらの会社では実務経験として認められる業務はありません。つまり、これらの会社での期間は認められる実務経験にはなりません。
 不動産デベロッパー、建設コンサルティングでは工事監理との方法もありますが、少なくとも建築士事務所登録がされている必要があります。

●構造設計の代願(代理者)
 代願は設計者ではなく、申請の代理者であるので実務経験には認められないと考えられます。
その他、注意事項、補足事項
・構造設計業務について、構造や規模については、特に規定されていません。(木造住宅の構造設計業務でも可)

・構造設計業務を行ったとの事であれば、確認申請書にも設計者として記載されている必要があると考えられます。(厳密には)これがない事が発覚するとNGなのだろうか?

・構造設計一級建築士の関与が必要な建物であれば、他の構造設計一級建築士が法適合確認を行ったとの記載が必要になると考えられます。

・木造住宅で意匠設計者が構造設計まで行っているなどの場合は割合を考慮する必要はありませんが、一般的に認められる範囲で、となっています。

うーん、そんに細かい事を言わなくて良いのはと思いますが。
所詮、資格です。構造設計一級建築士=優れた構造設計者ではありません。実務経験に関わらず、試験に合格すればOKで良いのではないでしょうか。
posted by 建築構造設計べんりねっと at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | レポート

2020年01月03日

構造設計職、転職エージェントを使ってみた【募集、採用側】

 就労人口が減少傾向にある日本、今や、どの企業も人材の確保が経営課題になっています。大手ゼネコン各社も今後の課題、目標として「人材確保」を挙げています。構造設計事務所においても生き残り、成長のためには人材確保は必須です。
 その方法としては若手技術者の育成が重要でありますが、即戦力である中途採用が出来れば一番良いと考えるのは、どの企業、設計事務所も同じでしょう。
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 募集、採用側として、転職エージェントを利用してみましたので紹介いたします。





転職エージェントとは?
 人材募集の方法として、転職サイトと転職エージェントがあります。転職サイトは料金を払い、求人情報を掲載してもらう方法です。そのサイトに会員登録した転職希望者が閲覧し、申し込む方法です。
 一方、転職エージェントとは転職希望者が会員として、レジュメを登録し、人材を紹介してもらいたい企業がそのレジュメを確認し、オファーを出す仕組みです。とは言ってもたくさんの登録者の中から、条件に合った人を探すのも大変なので、エージェントと呼ばれる人が条件に合った人を紹介してくれます。
 オファーを受け、面接、入社となったら、転職エージェントに紹介料を支払います。

 費用はと言うと、転職サイトは期間にもよりますが、数十万円、転職エージェントは一人、入社が決まると200万円ほどの紹介料が必要になります。
 どちらが良いかですが、私の経験では費用は掛かるものの、転職エージェントの方が成果が出やすいと感じています。また、こちらから、オファーを行うので納得もできます。

構造設計者の登録者はどのくらい居るの?
 転職エージェントには各業界の担当者が居ます。しかし、構造設計と言う仕事に精通しているかと言うと・・・。ちょっと違う職種だなと思う人も居ますが、数十人は直ぐにリストアップしてくれます。また、定期的に数人ずつ、追加されます。
 是非、入社して欲しいと思う高いキャリアを持った人もたくさん居ます。もちろん、その方々が直ぐに転職をしたいとの訳ではありません。良い条件の会社があればと言う感じでしょう。

どこの転職エージェントが良い?
 私のおススメの転職エージェントは、『リクルートエージェント』です。
 
 はっきり言って、他のサービスに比べ、料金は高いです。しかし、最大手だけあり、登録者(転職希望者)の数も質もNo1です。



 では、直ぐに採用できるかと言うとそんなに甘くはないのが実態です。レジュメを見て、〇△×の判定を行い、〇判定を付けた人にオファーメールが行くのですが、ただ、登録しているだけの人も多く、構造設計職では数十人にオファーを出して、一人、面接が決まる程度でしょう。入社となると100人以上にオファーを出す必要があるかと思います。そのためには数百人のレジュメを確認と言う作業があります。
 手間はかかりますが、求人情報を出して、待っているだけより、早く、成果が出ます。まあ、それだけの登録者を集めているサービスです。

転職をするなら、転職エージェントがおススメ
 募集、採用側から、見た感想としては転職をするのであれば、転職サイトの求人情報から、応募するのではなく、転職エージェントがおススメです。
 理由は以下です。
 転職サイトからの応募は自分が行きたいと思う会社を選べますが、基本、給与面の条件は求人情報通り。転職エージェントであれば、エージェントがフォローしてくれ、給与面の条件も交渉の余地が多くなります。転職サイトは求人情報を掲載して、対価を得る。転職エージェント側は入社をさせて、初めて成果(対価)を得られます。つまり、その為の努力を行ってくれると言う事です。
 実際、面接が決まった際もエージェントさんから「失礼のないように」と言葉があり、登録者に気を使っている感じが受け取れます。

 もちろん、オファーを貰える事が前提ですが、転職エージェントさんが言うには構造設計職は売り手市場であるとの事です。興味のある方は自分の構造設計者としての価値を知るためにも、登録してみては如何ですか。






posted by 建築構造設計べんりねっと at 15:44| Comment(0) | TrackBack(0) | レポート

2019年11月08日

アーキニアリング・デザイン展2019「構造技術が拓く建築と空間」に行って来ました。

 建築会館の建築博物館ギャラリーで開催されているアーキニアリング・デザイン展に行って来ました。
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 まず、最初の展示されているのが、力学から東京オリンピックへ「学生と考える五輪スタジアム」。学生の課題だと思いますが、オリンピック施設の構造模型とその解析を行ったパネルが展示されています。学生レベルですが、これだけ出来れば十分。
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 撮影、SNS投稿、OKとなっていたので、遠慮なくアップします。少し、ピンぼけですが。

 同じエリアの壁には、構造技術の歩み「空間構造」と「対震構造」 の解説が展示されていますが、これは受付で買った冊子(200円)と同じ内容なので、あとでゆっくり読むとして、スルー。



 次に「川口衞メモリアル」 として、今年5月に亡くなられた川口先生の作品の模型、功績が展示されています。

一番奥は、構造デザインの世界「若手構造家のプロジェクト」として、数々の現役世代の構造家の作品の模型、構造デザインを説明するパネルが展示されています。
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覚えている限りでは以下の方々。(敬称略)
坂田 涼太郎、山田 憲明、大野 博史、村田 龍馬、木下 洋介、 名和 研二、多田 脩二、 鈴木 啓、萩生田 秀之

この中に金箱先生の名前が。どう見ても若手構造家ではない。田村恵子さんの方ですね。宇土市立網津小学校の応力図模型が展示されています。これは面白いですね。
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そして、最後は、40 Years After BSS の軌跡(IASS とともに)として、張弦梁構造の軌跡が展示されています。
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このような展示を見て、いつも思うのは、構造システム、構造計画の重要性。意匠図と通り、構造計算しているだけでなく、構造計画にもっと力を入れないと。

11月13日まで開催していますので、近くの方は是非、どうぞ。尚、入場無料です。
タグ:構造家
posted by 建築構造設計べんりねっと at 12:58| Comment(0) | TrackBack(0) | レポート