2020年11月15日

建築家との仕事

 先日、あるプロジェクトで『建築家』と仕事をしました。




 ここ数年で名前を聞くようになった某設計事務所。担当される方は、その事務所の主宰者ではなく、所員の方で歳は30代前半かと思います。

 名刺の肩書きは、建築家。


 プロジェクトのキックオフでは顔を合わせ、打合せを行ったのですが、以降の打合せは先方からの申し出により、オンラインミーティングです。
 ミーティングの参加者は、基本設計をするその設計事務所、コンサルタント会社、そして、 実施設計を行う私達。
arcman.jpg
 打合せでの資料は、図面はざっくり言うと配置図のみ、他は模型とイメージを伝えるための他の建築物のみ。まずは建築家さんからのコンセプト、計画の説明から入り、詳細の検討、協議を進めていく形です。

建築家:「スレンダーな構造としたい。解放感を出したい。構造材料の素材感を大切にしたい。どのようなにしたら、良いでしょうか?」

私:「かなり、大きな跳ね出しとなっていますが、どのような構造形式をイメージしていますか?」

建築家:「これはイメージなので柱が必要であれば立てても構いません。」

私:「素材感を出すためとの事ですが、外部で木造の柱を現しだと耐久性上、問題ありませんか?それにRCの立上りが必要だと思いますが。」

建築家:「素材感を大切にしたいのですがダメですか?何とかなりませんか」

 私もなるべくイメージを実現したいが予算の問題もある。そもそも、これだけでの資料だけでは、先方のイメージが判らず。具体的な提案が出来ない。

 対面での打合せであれば、スケッチを描きながらも出来ますが、オンラインだと、それも中々スムーズに進まない。口頭でのイメージ、コンセプト、哲学、思想ばかりで具体的な形が出来ていかない。

 建築家との仕事とは、このようなものなのだろうか。。。私は普通の設計者で居たいと思った。

 建築家はオンラインで仕事を行うべきでないですね。




posted by 建築構造設計べんりねっと at 10:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年09月15日

レオパレス事件から考える構造設計一級建築士の責任

先日、施工不良問題でレオパレス21の建築士3人が追加で免許取消の処分となっている。合計で6人が免許取消となった。この3人のうち、2人は既にレオパレスを退職しているが処分となっている。

法律に違反することがあれば、何年経っても、何処に居ても処分されると言う事だ。

この6人がどのような立場で仕事をしていたかは分からないが、確認申請書にその名前があったのは間違いない。
確認申請書、図面に記載されている建築士以外の設計者が実際は設計していると言う事はどこの会社でも良くあることだ。特に構造設計一級建築士は取得するのに通常は10年以上がかかる。この間に構造設計を行なってはならないとの事だと構造設計技術者は育たない。制度的には他の構造設計一級建築士が確認をする法適合確認があるが、クライアントに対しても印象が良くないので、その方法は取られない事が多い。

このような場合、その建物の構造設計に問題があった場合は確認申請書、図面に記載された建築士が全責任を負う事になります。
自分の部下が構造設計したもの対し、責任を取るのなら致し方無いでしょう。しかし、事務所の一担当が他の所員の構造設計に対し、構造設計一級建築士として名前を出すのは注意すべきです。

レオパレスの例のように辞めた後も責任を負う事になるのです。
私が設計していないと主張しても無駄です。

他の例では最近、設計施工で工事を請け負った建設会社から、躯体工事に工事監理のみを請負う構造設計事務所があります。

でも、よく考えて下さい。何故、貴方に工事監理を依頼したのか。

・自社の工事管理能力に不安を持っている。
・その建設会社から構造設計を請け負った構造設計事務所が工事監理を請けなかった。

このような事ではないでしょうか。そして、クライアントである建設会社には細かい指摘は出来ないでしょう。

レオパレスの処分事例を見ても、設計した建築士でも工事管理者ではなく、工事監理者が処分されています。工事監理には大きな責任の負担があるのです。

もう一度、資格、士業について、良く考え、慎重に対応することが必要です
posted by 建築構造設計べんりねっと at 12:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年06月20日

構造設計のサブスクリプション・ビジネス

 コロナ渦による在宅勤務、外出自粛もすっかり慣れ、生活も大きく変わりました。私はと言うと、
・仕事帰りなどに飲みに行く事が無くなった。
・往復2時間掛かっていた通勤時間が無くなった。
・休日も出掛ける事なく、家に居る。

 良く言えば自由な時間(余暇)が増えた。悪く言えば暇が増えた。
コロナ渦による新しい習慣 私がこの余暇、暇な時間をどう過ごしているかと言うと以下のようなサービスで映画を見たり、本・雑誌を読んだりしていました。それまでは映画を見るのは年に一度、ネットで様々な情報が入る今、雑誌を買ってを読むなどは数年行っていませんでした。



 月額1,990円で映画、ドラマ、アニメが見放題。DVDをレンタルする事を考えると月に5本の映画を見れば、元が取れる。映画は特別好きでない私は31日間無料トライアルで20本程度の映画を見て、終了しましたが、映画好きな人は絶対お徳。


 なんと月額380円で450以上の雑誌が読み放題です。残念ながら、建築技術や日経アーキテクチュアはありませんが、ビジネス誌があるのは嬉しい。
 普通に買ったら、1冊380円では買えません。

サブスクリプションとは これらは所謂、サブスクリプションと呼ばれるサービスです。商品やサービスの一定期間の「利用権」に対して定額料金を支払うものです。
 しかし、何でこのような低額で成り立つのか?
 考えてみれば、年に一度しか映画を見ない、雑誌は数年に一度しか買わない私が、「このくらいの金額なら、良いか」と思い、契約する。その事も忘れて、毎月、お金を払い続ける。このような人が大勢集まり、大きな利益を上げている。

構造設計でサブスクリプションは出来ないか 構造設計でサブスクリプション・ビジネスは出来ないだろうか。
【月額定額制で構造計算プログラムが使い放題】
 このようなサービスの殆どはデジタルデータである。月額定額制で様々な構造計算プログラムが使い放題としたら、どうだろうか。




【月額定額制で構造設計】
 サブスクリプションはデジタルデータだけではなく、トヨタ自動車が2019年2月から開始した「KINTO」、自動車所有にかかる費用、税金、任意保険、メンテナンス・修理代を3年間、定額でまかなえるサービスもあります。
 構造設計を月額定額制で受けたらどうだろうか。安定した売り上げを確保出来るかもしれない。

 アフターコロナ、WITHコロナのこれから、私達も様々なビジネス形態を考える必要があるかもしれません。



posted by 建築構造設計べんりねっと at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記