重ね継手の差筋位置がずれている
重ね継手は通常、鉄筋どうしを束ね、結束線で結びます。壁やスラブなどのコンクリート打ち継ぎ位置で重ね継手のための差筋が本来の位置よりも部材の長さ方法でずれている場合があります。
この時、差筋の台無しを行い、鉄筋どうしを束ねる方法もありますが、下図のように空き重ね継手と呼ばれる方法も日本建築学会「配筋指針」で認められています。
この場合、鉄筋どうしの間隔が0.2・L1かつ150mm以下である必要があります。また、空き継手と出来るのは壁、スラブなどで鉄筋が部材の長さ方法にずれている場合のみで部材断面の内部側に鉄筋ずれている場合は採用出来ません。もちろん、断面の外側にずれている場合はかぶり厚さが確保できなくなるので採用出来ません。
鉄筋の空きが確保出来ない
小梁などの主筋でD16以下の場合は重ね継手とするのが一般的であり、通常は鉄筋を横に並べて、束ねます。鉄筋を横に並べると隣の鉄筋との空きが取れない場合、継手鉄筋を上下(縦)に並べる方法も日本建築学会「配筋指針」で認められています。
尚、継手鉄筋は継手範囲から外れる位置より緩やかに正規の位置に戻します。
圧接が出来ない
施工の仮設計画で大梁部分にコンクリートの打ち継ぎを作り、中央部分を後打ちとする場合があります。このような時、梁主筋の圧接が出来なくなります。圧接は継手部分の鉄筋をガスで加熱し、圧力を掛け、一体化しますが、両側のコンクリートが打設済であると鉄筋を引っ張り、圧力をかけることが出来なります。
このような時の対応ですが、まず、鉄筋の空きが確保出来るのであれば重ね継手でも構いません。しかし、通常は重ね継手で納まる断面、鉄筋本数となっていないでしょう。鉄筋の継手には溶接(突合せ)や機械式継手も認められていますので、これらを検討しましょう。
重ね継手長さが足りない
コンクリートの打ち継ぎ位置からの差筋が重ね継手長さL1に不足している場合の対応方法です。
このような時の対処方法としては圧接、溶接(突合せ)、機械式継手が考えられますが、その他の方法としてはフレア溶接があります。フレア溶接の場合、溶接長さは片面10d又は両面5dのいずれかになります。しかし、異形鉄筋はリブがあり、現場での溶接となると溶接品質を確保するのが難しいので、余りオススメ出来ません。
構造計算による再検討が必要ですが以下の方法もあります。重ね継手長さL1はコンクリート強度ごとに鉄筋径(呼び径)の40倍などと定められています。これは鉄筋に作用する力とコンクリートの周面付着強度から決定されています。しかし、部位ごと、コンクリート強度ごと、鉄筋径ごとに重ね継手長さを設定するのは設計側も施工側も作業が煩雑になるので、鉄筋のフル強度に対し、計算したものを丸めて定めています。つまり、個別に計算すれば、若干は短く出来ます。
もう一つはイレギュラーですが鉄筋径を変えてしまう方法です。異なる径の鉄筋を重ね継手とする場合、重ね継手長さは小さい方の径で決定します。つまり、鉄筋径を下げれば重ね継手長さを短く出来ます。この場合、元の鉄筋断面積と同等になるように本数を増やす必要があります。これは空き重ね継手とします。
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