企業も従業員エンゲージメント(満足度)を向上させることが社員の定着に繋がると考え、管理職に対し、改善を求めます。これを簡単にある程度、向上させるには部下に厳しいことを言わないのが一番効果がある。熱心に指導するとパワハラと言われるリスクもあります。
一人前の構造技術者になって欲しいと思いつつも、このような環境では一生懸命になるのも、ばかばかしいと思う管理職の方も少なくないと思います。
そこで構造設計業務に携わっている管理職の方に若手社員、若手構造設計者の育て方?ご機嫌取り?をアドバイスします。
まずは資格取得に専念させる
平成19年の建築基準法改正で構造設計一級建築士制度が創設、構造計算安全証明書が必要になり、構造図、計算書への記名が必要になるまで建築士資格取得に対する意識が少ない構造設計者も居ました。
しかし、現在は構造設計業務を行うには構造設計一級建築士資格が実質、必須です。当然、若手構造設計者は資格取得に対しては非常に高い意識があります。事実、新入社員の多くが入社時の挨拶で「まずは建築士取得」と言うと思います。
以前は実務経験がないと建築士受験が出来ず、入社1年目から試験勉強に取り組む人は少なかったですが、今は実務経験がなくとも試験は受けれるので仕事を覚える、技術を習得するよりも建築士取得を優先する環境になっています。
「まずは建築士取得」が「資格を取得すれば後は安心」になっているのです。これを否定することなく、理解して下さい。
「残業はしなくて良いから、早く帰って勉強して下さい。有給休暇はフルに取得して、勉強して下さい。」と伝えれれば良い上司と思われます。
構造設計の本質を教えない
部下に構造設計を教える時に本質、検討内容の意味を理解して欲しいと思い、丁寧に教えすぎるとのNGです。
構造安全性の確認を行うのに複数の方法があるものもありますが、一つの方法として下さい。「こういう方法がある。ああいう方法がある。このような考え方もある。」との説明を若い人は嫌います。口には出さないですが、「それで、この場合の結論は?」と思っています。次に同じ検討を行う場合の事より、目の前の仕事を処理することが優先なのです。
また、自分で調べる力を付けさせるために「学会指針のここに書いてあるから読め」との指導もNGです。これも面倒だと思われます。貴方がまとめて教科書にして示しましょう。新入社員から、「教科書はないですか?」と言われた事がある方も少なくないと思います。
技術的判断が出来るようになることを求めるのではなく、ルール化、マニュアル化してあげる事が重要です。
間違っていること、出来ないことを指摘しない
仕事をさせ、チェックをした時に間違っていること、出来ないことを指摘しないで下さい。若手社員はプライドが高く、メンタルが弱い人が多いのです。このような指摘をされるのを嫌います。
間違っていたら、やり直させるのではなく、管理職の貴方が直して下さい。出来ていない場合は「そのうち、Aiで構造設計が出来るようになるから大丈夫だよ」と言ってあげて下さい。
若い人はITリテラシーが高い分、近いうちに本気でAIで構造設計が出来るようになると信じている人も一定数居ます。
