
この改正は「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案」の関連法案となっています。
しかし、構造設計基準、構造審査の強化は脱炭素とは全く関係ありません。国会でも4号特例縮小に対する議論は殆どありませんでした。何故、脱炭素と4号特例縮小がセットなのかと疑問の思う人が多いはず。
国交省担当者は日経アーキテクチャー誌で以下のように説明しています。
『省エネ基準の審査が全ての建物に義務付けられるのに構造の審査が省略されたままはおかしいので改正した。』
4号特例縮小は“ついでに”だったのです。
構造設計者に大きな影響を与える改正を“ついでに”で行うのはやめて欲しい。
思い起こせば、設備設計一級建築士も“ついでに”で作られたようなものです。耐震偽装事件、一部の構造設計者の能力不足が露呈したことにより、構造設計一級建築士制度が作られました。設備は全く関係ありませんが、構造を作るなら、設備もついでに作ろう的なノリだったのでは。。。
構造設計一級建築士が取得出来ずに廃業した構造設計者が少なからず居ました。きっと、設備設計でも同じようなケースが発生しているのでは。
今回の法改正で廃業せざるを得ない人も出るはず。4号特例縮小に対して反対ではありませんが、ついでによる改正で人生が変わってしまう人も居ることを考えないとなりません。
しかし、成立してしまったものは仕方ない。問題はいつ施行するか。木造建築の場合、構造設計も意匠設計者が行っている事が多くあります。省エネ法改正と同時に施行すると多くの混乱があることが予想されます。時期をずらし、どちらかを先に施行することが混乱を避けるには効果的です。
やはり、先は構造基準の改正か。
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