RC柱梁接合部の検討について、引き続き、考えます。
靭性指針式とは?RC規準は?
問題となっている柱梁接合部の靭性指針式とは以下の式です。
柱はり接合部のせん断終局強度 Vju

ではRC規準では、どのようになっているかと以下の式となっています。

しかし、解説を読むと元なっている式は靭性指針式です。これを変形すると上記の式になります。
そして、RC規準には柱梁接合部の Pw=0.3%以上とはどこにも書いてありません。
柱梁接合部に関するRC規準の解説
そして、RC規準では柱梁接合部について、以下の解説がされています。
- 接合部内の帯筋は柱の帯筋とは異なり、せん断補強筋として接合部のせん断強度を上昇させる効果がほとんど期待できない。
- 柱梁接合部の帯筋、コアコンクリートの拘束筋として最小補強量が配筋されるのが一般的である。
柱梁接合部のフープの規定についてはRC規準(2018年版)のQ&Aでも取り上げられています。ここでは以下の解説となっています。
RC規準は、靭性保証型指針で対象とする梁降伏型のフレーム構造だけでなく、強度型の架構も含む様々な構造を対象としていますので、柱梁接合部を「柱の一部」として扱い、柱の帯筋比と同じ 0.2%以上と規定しています。
一方、靱性保証型指針では、柱・梁より先行して柱梁接合部が破壊せずに、架構としての靱性を確保することが求められています。靱性保証型指針の式(解 8.3.8)によれば、柱梁接合部の帯筋比が 0.3%の場合は、せん断余裕度が 1 であっても塑性率がμ = 2.2 程度となることから、その規定となっています。
逆に言うとRC規準では柱・梁より先行して柱梁接合部が破壊することを許容しているのか。。。おかしくないですか。
柱梁接合部のフープPwは0.20%でOK!
結論としては「靭性指針ではなく、RC規準に準拠して検討しています。」と言えば、柱梁接合部のフープPwは0.20%でよいと考えます。
技術基準解説書Q&Aの理由は「規基準ごとに使用できる材料強度や部材の設計用応力の算定(仮定)などの考え方が異なる。それぞれの規基準における定義や適用範囲に従う必要がある。」です。であれば、「RC規準に従っています。」と言えば、やることは同じでも問題ないはずです。靱性指針(鉄筋コンクリート造建物の靱性保証型耐震設計指針・同解説)は1997年、四半世紀前の基準、RC規準は最新の基準です。最新の基準が優先されるのが当然ではないでしょうか。
屁理屈を言うな!と言われそうですが、むしろ、Pw=0.3%の方が過去を正当化するためか、それとも誰かに忖度しているか、どちらかではないでしょうか。
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