4号特例改正が省エネ法改正のオマケになっています。

国土交通省が開催した社会資本整備審議会建築分科は建築環境部会と建築基準制度部会の合同会議となっており、議論の中心は明らかに「脱炭素」です。
審議の中では「断熱材や省エネ設備の設置といった省エネ化に伴って、建築物が重量化している。壁量が実態に合わなくなってきており、地震時に倒壊リスクがある。」とも指摘されていますが、この件に対しては壁率の改定で対応可能です。
4号特例は建築確認の審査を省略することができる制度であり、問題点は脱炭素ではなく、一部の設計者が審査省略制度(四号特例)を利用し、不適切な設計・工事監理を行い、構造強度不足が明らかになる事案が断続的に発生していることです。
そして、4号特例が縮小されると木造建築物に対する設計者への負担は増えることになります。一時的には供給が減るのは確実でしょう。
建物の木質化は脱炭素に対して有効とされていますが、脱炭素を中心に考えるのであれば、4号特例縮小は逆効果です。この事は指摘されていません。
4号特例と脱炭素は別で議論する必要があります。また、4号特例縮小による設計者、審査機関の負担増による建築行政の停滞を避けるために「脱炭素」を諦めようとのこともないでしょう。
4号特例縮小案、「脱炭素」を目指した建築物省エネ法改正も2025年を目指しているとのことですが、建築物省エネ法改正施行の準備のために4号特例縮小を先に実施すべきでしょう。
4号特例縮小は、ある意味、過去の施策の失敗を認めるようなものです。誰だって、自らの失敗は認めたくない。一方、「脱炭素」に対する施策としての建築物省エネ法改正に対して、世論の反対はないでしょう。
「脱炭素」のために4号特例改正を断念するとのストーリーのために建築環境部会と建築基準制度部会が合同で実施されているのか。。。
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