
著 者:建築構造設計べんりねっと
発売年月日:2021年9月
価 格:1,500円(税込)
形 式:PDF、全50ページ
販売数:4冊
構造設計で一番重要なのは構造計画である。そして、構造計画は意匠計画そのものであり、良い構造になるかどうかは意匠設計者しだいであるとして、構造計画の基本を解説しています。
建築の納まりを知らない構造設計者。。。
先日、某有名構造設計事務所と設計の打合せを行った。私の会社では初めて、付き合いをさせて頂く事務所です。「どこで知って、この事務所に依頼したの?」と担当者に聞いたら、「建築構造設計べんりねっとと言うサイトでオススメの構造設計事務所となっていたから」とのこと(苦笑)
建物は簡易な鉄骨の商業ビル。もちろん、構造設計をする担当者は事務所の主宰者である先生ではない。
打合せで図面を確認する中で「ここ納まりがおかしくない?」と言う所がチラホラ。具体的には意匠との取り合いが納まっていない、仕上材等の留め方、納まりを知らないとの感じだった。
逐次、確認のために指摘すると「そちらの要望であれば、そうします。」との回答。
要望ではなく、納まってないんだけど。あなたも普段、買い物に行くと思うけど、建物って、そんな風になってないよねと言う内容です。
構造計算は出来るものの、意匠の納まりを全く理解していない構造設計者でした。
構造設計者も意匠設計知識が必要!
構造設計の成果物は構造計算書ではなく、構造図です。構造計算は構造図を作るためのプロセスでしかありません。
構造図は意匠図と整合していないとなりません。構造体は謂わば、仕上材を支えるために下地です。従って、意匠、仕上げの納まりを理解していないと構造設計は出来ないのです。また、納まりは建物用途によって、変わります。構造設計は骨組みの設計だから、建物用途は関係ない、積載荷重が変わるだけと言うのは間違いです。それぞれの建物用途特有の納まりを理解していることが必要になるのです。
電子書籍「意匠設計者に教えたい!構造計画の基本」で意匠設計者は構造計画の知識が必要と書きましたが、構造設計者も意匠設計知識が必須です。
構造設計者が意匠設計を学ぶには
意匠設計知識の中でも一番重要なのは各仕上の納まりを知っていることです。これを学ぶのに一番オススメの書籍は大手ゼネコンが出している納まり集、ディテール集です。いくつか出版されていますが以下の書籍が一番最近のものであり、オススメです。
このような本がどうして売れるかと言うと意匠設計事務所が買うからです。構造設計者にも是非、読んでもらいたい本です。
本当の意匠、構造、設備の協働とは
良い建物を設計するには意匠、構造、設備の設計者がお互いの設計知識を持っていることが重要です。
意匠設計者が見当違いな事を構造に提案したり、構造設計者が意匠を全く無視した構造計画を提案しているようでは建物はいつまで経っても纏まりません。
当然、自分の専門分野はプロフェッショナルである必要があります。その上で他の設計知識も有している設計者が集まり、一つの建物を作り上げることが本当の協働です。
タグ:意匠屋さんに伝えたい事