
建築構造設計と言う職業を選んで頂いた事を大変嬉しく思っております。これから構造設計を仕事として行っていく皆さんへのアドセンスを送ります。
●構造力学ついて復習を!
入社後、数日間は構造設計の実務ではなく、ビジネスマナーや会社、業務の概要などの研修を受けることになるのでしょう。覚える事がたくさんあって、大変かと思いますが、構造設計職の皆さんにまず、やって欲しいのは、構造力学の復習です。具体的には大学1年生で習った構造力学の教科書を見直し、完璧に理解して下さい。力学は構造設計の基本です。これを習得していないとこれからの仕事は出来ません。
会社で先輩社員が構造設計を教えてくれると思いますが、やはり、構造設計の基礎となる構造力学を身に付けていない新入社員の面倒見る余裕はありません。しっかりと見直しておいて下さい。
建物をよく見るようにする
図面上で見るだけでなく、実物を見ることは非常に重要です。会社で現場見学の機会を作ってくれる事もあるでしょうが、その時間だけでなく、多くの建物をよく見るように心掛けて下さい。
有名な建築物を見に行くと言うことでなく、通勤途中、休日に出掛けた時でも建物を見ることはいくらでも出来ます。
私達の専門である構造は建物が完成すると見えなくなってしまう部分がほとんどですが、鉄骨造であれば見える部分が多くあります。施工中の現場を除くことでも構造体を見ることは出来ます。どのような部材でどのような接合、架構になっているか注意してみるようにしましょう。
また、私達、構造設計者は構造計算で安全性を確認すれば良いだけでなく、仕上げとの取合いを考え、構造躯体の納まりを決める必要があります。仕上げの種類、仕上げの納まりを見ることも構造設計の勉強になるのです。
資格取得を早めに!
構造設計を行うには資格が必要です。構造設計一級建築士でないと小さい建物しか設計出来ないのです。そのためにはまず、一級建築士の取得です。昨年度より受験資格に実務経験が不要になり、すぐに受けられるようになりました。早めに取得するようにしましょう。構造設計について覚えること、学ぶべきことがたくさんあります。建築士の勉強にいつまでも時間を割いている暇はありません。
はっきり言って、資格取得は難しくありません。その時に勉強したか、しないかです。つまり、構造設計をやる気があるのか、ないのかと言うことになるのです。
自分で考える、調べる癖をつける
以下のリンク先に構造設計の新入社員におすすめの書籍を紹介しています。構造設計業務を行う上で最も良く読まれている書籍です。『令和3年度 構造設計新入社員必携!この5冊』
皆さんが入社する会社、事務所にも一冊ずつは必ずあるでしょう。しかし、新入社員のあなたが独占するのも気が引けると思います。コロナ禍、在宅で勤務する時は会社にある書籍を見れません。是非、ご自身で購入して下さい。
これからは在宅勤務が続くのでしょう。会社で先輩社員が丁寧に教えてくれる環境が少なくなります。自分で調べる、考える、学ぶ癖を着けないと技術力は身に付けられない時代になるのです。