1.減らすのではなく、無くす
コストダウンが必要になり、部材断面、配筋を一生懸命に絞っても目標の価格に届くことは少ないと思います。構造体をこの作業で絞る程度の金額の差は、そもそも、コストダウンが必要と考える額の対象ではない事がほとんどです。
大きくコストダウンを目指すなら、「減らす、絞る」ではなく、「無くす」との発想による取り組みが必要です。

2.メジャーな工法は使用しない、後発メーカーの工法を採用する
構造においても様々なメーカーが扱っている工法があります。鋼管杭、鉄骨造露出柱脚、せん断補強筋。各工法にオーソリティとなるメジャーメーカーが存在します。実績もあり、バリエーションも大きく、使いやすいと思いますが、他メーカーと比較して、コストは上がります。
コストダウンを考えるなら、メジャーメーカーではなく、後発メーカーの工法を採用しましょう。後発メーカーはメジャーメーカーに対抗するには、コスト勝負をするしかありません。特にリリース、発売直後の工法は値引きキャンペーンを行っている事が多いので狙い目です。
3.省力化、短工期工法を使用せず、人海戦術工法を採用する
省力化、短工期を売りにしている工法が多数ありますが、コスト的に有利になることはありません。プレファブ化、プレキャスト化している工法も運送費、現場での揚重機の費用がかさむため、人海戦術による現場組み工法にはコスト的には敵いません。また、何処の会社でも施工出来る工法になるので競合させ、コストを抑える事も期待出来ます。
但し、人手不足の建設業全体が疲弊しますが。
4.意匠計画を見直す
大きくコストダウンをするには、構造計画の見直しが必要です。構造計画=意匠計画です。意匠と構造が協力しないとコストダウンは出来ません。積極的に提案しましょう。
5.仕上げ、デザインを変える
ん、構造のコストダウンではない?
でも、コストダウンを望む人は構造のコストダウンがしたいのではなくて、建物のコストダウンがしたいのですよね。だったら、構造でも意匠、設備でもコストダウンが出来れば良いではないですか。構造でちょこまか落とすより、効果的です。ここも積極的に提案しましょう。
6.単価、積算数量を見直す
最後の手段は単価、積算数量の見直しです。見積りを貰い、単価及び数量のチェックをしましょう。コストダウンと言うと見えない部分の構造ばかり狙われ、構造設計って、つらい立場だと構造設計者は感じていると思いますが、積算担当者もつらい立場です。
数量が不足する、見落としがあると現場に責められる。高いと営業に責められる。ですが、金額が不足し、利益が減るのを一番恐れるので、余裕を見込みます。そこに手を入れましょう。