2019年07月09日

一次設計と二次設計、どっちが大事?

一次設計と二次設計のどちらが大事ですか?

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【一次設計】
震度:5強程度
計算方法:許容応力度計算
設計目標:部材が損傷しないこと

【二次設計】
震度:7
計算方法:保有耐力計算
設計目標:建物が倒壊しないこと

もちろん、どちらも基準値を満足しなければならないもので比較するものではないと思うが、あえて、比較してみる。

比較しやすいように以下の2通りの建物で考える。

●ケース1
許容応力度計算には、十分な余裕がある
保有水平耐力はギリギリ

●ケース2
保有水平耐力には、十分な余裕がある
許容応力度計算はギリギリ

どちらが良いでしょうか?





建物性状で考えるとケース2の方が、“靭性が高い”と言うことになる。早期に降伏し、変形に追従する。まさに保有水平耐力の考え方です。
構造計算は保有水平耐力がOKになって、終了。構造設計者もどちらかと言えば、ケース2を意識しているのでは。

とすれば、二次設計の方が大事?

なにやら、昔の柔剛論争のようだ。

ここでは、そんな高尚な議論ではなく、ユーザー(お施主様、クライアント、住宅購入者)にとって、どちらが良いか、考えてみる。

構造設計者:「構造設計をするにあたり、ケース1とケース2が選べますが、どちらにしますか?建物の費用は変わりません。
具体的にはケース1は震度6強まで建物は損傷せず、そのまま、使用出来ます。震度7に対しては倒壊しません。
ケース2は震度5強を越えると建物は部分的に損傷し、補修が必要となったり、継続使用が出来なくなります。但し、震度7を越える想定外の大地震にも倒壊しません。」

ユーザー:「震度7を越える想定外の大地震とは、震度いくつ?東日本大震災、阪神大震災は?」

構造設計者:「震度は7までしかありません。東日本大震災、阪神大震災も震度7です。」

ユーザー:「でも、結局、建物が使えなくなるのは変わらないんですよね。それでケース2は、何のメリットがあるのですか?ケース1でも震度7に耐えるのですよね?」

構造設計者:「もちろん、ケース1でも震度7に耐えます。しかし、想定外と言うのはあるものでして。。。」


極端な例での比較かもしれませんが、ユーザーにとっては、より継続的に使用出来る建物を望むのではないでしょうか?

そう考えるとブレース構造や壁構造のようなDs値が高い建物の方が優れている?
posted by 建築構造設計べんりねっと at 22:26| Comment(1) | TrackBack(0) | コラム
この記事へのコメント
構造設計者:「震度7を越える想定外の大地震にも倒壊しません。」
ユーザー:「震度7を越える想定外の大地震とは?」
構造設計者:「震度は7までしかありません。」

これはダメでしょう.
Posted by タナカ at 2019年07月11日 16:52
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