2018年06月18日

AIによる構造設計の法的責任

サッカーワールドカップが開幕しました。
今大会では、ビデオで判定を補助するVAR(ビデオアシスタントレフェリー)、
ゴールインを自動判定するゴールラインテクノロジーなどのテクノロジーが導入されています。

今まで人間が判断していたものが機械に委ねられるようになりました。これからも様々な判定が機械に委ねられるようになるでしょう。
しかし、これはどのくらいの精度があるものなのでしょうか。また、システムにトラブルがあった場合は誰が責任を取るのでしょうか?

最終責任は審判ですか?他の人が作った機械による判断の責任を別の人が取るのでしょうか?

車の自動運転技術も同じような議論があります。
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さて、AIを構造設計に導入する研究も行われています。構造設計AIが出来た際の設計責任は、誰に属するのでしょうか?また、建築士法はどのように変わるのでしょうか。

プログラム(AI)メーカーではなく、あくまで各構造設計者(人間)の責任になるとしたら、プログラム(AIシステム?)のアウトプット、計算過程のチェックが必要です。ここで自分の考えに合わない場合は修正指示をする。これでは人工知能ではなく、ただのオペレーターです。






構造設計AIが実現した近未来では、設計内容をチェックするために構造設計者(人間)が昔(現在)の一貫構造計算プログラムを使って、妥当性を確認するとか笑えない状況になってるかもしれません。

そもそも、スポーツのルールも構造設計の基準、構造計算も完全なものではありません。また、予期せぬ事態、不確実性と言うものもあります。この中でも唯一無二の解を求めるなど、意味のない事かもしれません。

最終責任は構造設計者にある、AIの行った設計を隅から隅までチェックしないとならないなら、AIよりも自分のクローンを作ってくれたら、構造設計者は喜ぶ。
学習させればクローン的になるのだろうか。

今ある大臣認定プログラムもバージョンアップがあるとそれで設計された建物は既存不適格になる。(変更、改定内容によるが)

構造設計AIもバージョンアップがあると、構造設計AI君は「それは前のバージョンだから」と他人事のように対応するのだろうか。
タグ:ai
posted by 建築構造設計べんりねっと at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム
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