
2022年に起きた出来事
●インターネットによる建築士定期講習修了考査が開始
1月、確認サービス社がインターネットによる建築士定期講習修了考査が開始しました。これで構造設計一級建築士を含む建築定期講習が講習から修了考査まで全て、ネットで完了するようになりました。世界中、どこからでも受講可能となりました。建築技術教育普及センターもこれに続き、オンライン講習を開始しました。
●ロシアによるウクライナ侵攻、木材不足
2月、ロシア軍がウクライナに侵攻しました。前年のウッドショックに続き、更に木材不足となりました。特にLVL材の不足が顕著でした。構造設計においても材料の変更が少なからず発生しました。
●4号特例縮小法案が成立、6月17日公布
「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」の関連法案ととして、4号特例縮小法案が成立が成立しました。施行が2025年4月予定とまだ先であるので大きな動きは出ていませんが、構造設計業界に大きな影響を与える建築基準法改正となりました。
●円安、建築資材高騰
年初、1ドル115円であった為替相場が10月には1ドル150円を超えました。これにより、燃料価格、原材料価格が高騰し、建築資材も大きく高騰しました。この建築資材高騰は建設会社に大きな影響を与え、構造設計者も今まで以上にコストダウン設計を求められるようになりました。
●金利上昇
12月20日、日銀が長期金利の変動幅の上限をこれまでの0.25%程度から0.5%程度に引き上げると発表しました。これにより、円高に振れたものの、メガバンク3行が30日、10年固定型住宅ローン金利を0.18%〜0.30%幅引き上げる発表をしました。建築業界にも大きな影響となることが予想されます。
2023年はどうなるでしょうか?
2023年は構造設計の仕事が減る
2022年、建設業界は増収となっているものの、原材料高騰の影響により、減収となっています。原材料高騰は2023年も続くものと思われます。2022年は原材料高騰分を建設会社が負担する形でありましたが、今後は選別受注を行い、不動産会社、クライアントに負担を求める事となります。また、金利も上昇することにより、建設投資は減るのではないかと思われます。当然、構造設計の仕事も減ることになります。
2023年、構造設計料は横ばい
さて、2023年、私達の給料の基となる構造設計料はどのようになるでしょうか。様々な物価が高騰するなか、政府も企業に給料を増やすことを要請しています。しかし、2023年、構造設計料は横ばいです。建設資材の価格が高騰するなか、少しでも経費を抑えたいと考え、構造設計料が上がることはないでしょう。
2023年、構造設計者は売手市場、転職のチャンス!
今年、成立した改正建築基準法の関連法案が秋ごろに公布予定となっています。この頃になると一般企業でも改正建築基準法の対応を考えるようになり、構造設計者の奪い合いが始まると思われます。既に確認検査機関は構造設計担当者の募集を増やしています。当然、収入も上がります。転職を考えている構造設計者は2023年がチャンスです。