2022年09月26日

構造一級の定期講習はどちらで受ける?会場受講orネット受講?

 ご存じの通り、構造設計一級建築士の定期講習は(株)確認サービスと(財)建築技術教育普及センターの2機関のみで行われています。皆さんはどちらで受講されていますでしょうか?
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講習費用は確認サービスの方が安い!


 それぞれの機関の定期講習の概要は以下となります。

財団法人 建築技術教育普及センター
講習会場:札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、オンライン講習
講習費用:16,500 円(税込み)※オンライン講習は15,400円(税込み)
講義方式:映像(DVD)講習

株式会社 確認サービス
講習会場:北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知(名古屋、岡崎、一宮)、静岡(静岡、浜松、沼津)、新潟、石川、大阪、兵庫、愛媛、福岡、熊本、オンデマンド講習、インターネット講習
講習費用:14,000円(税込み)
講義方式:映像(DVD)講習




 確認サービス社が修了考査も自宅または勤務先でネット受講が可能な「インターネット講習」を開始したのに続き、建築技術教育普及センターも同様の形態である「オンライン講習」を開始しました。現在では、どちらの機関でも世界中のどこからでも定期講習(ネット受講)が受講可能です。

 費用は確認サービス社の方が若干、安くなっています。講義方式はどちらも動画による講習であり、金額差分の質、サービスの違いは感じられません。費用で選ぶなら、確認サービス社です。しかし、シェアが100%と言う訳ではありません。

構造設計一級建築士定期講習の受講シェアは?


 構造設計一級建築士定期講習の受講シェアを調べましたところ、以下となっています。
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 令和3年度の11月〜3月においては、確認サービス社のシェアが67.7%となっています。
 クレジットカード決済、オンデマンド講習や修了考査も自宅でできるインターネット講習をいち早く導入し、利便性が高いためと思われます。

 令和4年度はどうでしょうか。建築技術教育普及センターもオンライン講習を開始しました。しかし、4、5月の受講者は合計でわずか6名のみ。このまま、確認サービス社が圧倒的シェアを取ってしまうのかと思うと6月には建築技術教育普及センターが増え、7月は逆転しています。




会場での講習を望む構造設計者も多い!


 令和4年度において、建築技術教育普及センターの4、5月の受講者が少なく、6、7月が増えた理由は4、5月は会場での講習がなかったためです。つまり、インターネット講習、オンライン講習ではなく、会場での講習を希望する人も多いと言うことです。

 理由としては、「ネット受講では集中できない。せっかくお金を払うなら、会場で集中し、受講したい。」、「ネット受講は不安。。。」と言うところでしょう。

あなたの県はこちらの機関がおススメ!


(株)確認サービスと(財)建築技術教育普及センターの構造設計一級建築士定期講習の受講会場がある都道府県、会場受講の場合、どちらの機関がおススメかを以下にまとめました。
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とは言え、沖縄(→福岡)、青森(→仙台)、秋田(→仙台)は交通費が片道1万円以上かかるので、さすがにネット受講の方が良いでしょう。
posted by 建築構造設計べんりねっと at 20:29| Comment(0) | TrackBack(0) | レポート

2022年09月23日

オンライン会議、在宅勤務で構造設計者の生産性が下がった!

 新しい働き方として、オンライン会議、在宅勤務が増えました。私達、構造設計者の生産性は上がったのでしょうか?
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無駄なオンライン会議が増えた


 打合せ、会議のための移動時間が無くなるのは良いことです。会議室、打合せスペースが不要になることもメリットです。

 しかし、気が付いてみると打合せ、会議が増えた。





 今までは「今回の打合せは構造に関係する話は少ないし、わざわざ来てもらうのは申し訳ないから、参加しなくて結構です。」と言った打合せにも、「オンライン会議だから、取り敢えず呼んでおこう」となり、打合せ、会議が増えています。

 結局、1時間の打合せで一言しか話さなかったと言うことも少なくありません。

 カメラをオフにして、別の仕事をする事も出来なくありませんが、集中できず、業務効率は上がりません。中には「カメラをオンにして、お互いの顔が見える形で打合せしましょう」などと余計なことを言う人も。。。

 元々、クライアント、意匠、構造、設備が集まって行う打合せでは構造に関する話は少なく、聞いているだけの時間が長いものでした。そのような会議がオンライン会議により、増えました。オンライン会議によりにより、気が付けば、作業をする時間が減り、生産性が下がっています。

 オンライン会議のメリットとして、資料、図面を画面に共有できることがあります。その図面に書き込むことも出来ます。しかし、だいたいは一方が書き込むだけ。ペンタブレットを使ったもスムーズにスケッチは描けません。やはり、対面で紙の図面を置き、打合せを行った方が精度があがります。

 また、最悪なのは対面の打合せに自分だけオンラインで参加する打合せです。対面で集まっているメンバーは図面を広げ、「ここが。。。」と図面を指で指して、打合せをします。オンラインで参加している自分は全くわかりません。オンラインで参加している一人のために全てを画面上で行うのも遣りづらい。





在宅勤務で電話が増えた


 在宅勤務により電話が増えました。メールやチャットでも良いのですが、どうしてもタイムラグがあり、早く結論を出したい場合はそれぞれの携帯電話でのやり取りとなります。
 今まで、ちょっとした社内の会話なら、業務をしながら、行えば良かったものが、いちいち、手が止まることになっています。
 たちの悪い上司だとちゃんと仕事をしているかの確認のために多くの電話をしてくる人も居ます。だったら、会社に行くよとなってしまいます。

 在宅勤務の一番のメリットは通勤時間がなくなることです。ではこれが生産性向上に繋がるかと言うと関係ないでしょう。通勤時間を業務時間に充てれば一日に仕事が出来る時間は増えます。しかし、企業側、雇う側からすると業務は進むが残業時間(人件費)も増えることになります。

 単位時間当たりの生産性では、やはり、業務環境の良い事務所の方が上でしょう。

有料のオンライン講習は。。。


 各種の講習会もオンラインが増えました。打合せ、会議とは違い、一方的に聞いているだけの講習はオンラインの方が良いでしょう。
 しかし、普段、無料でYouTubeを見ている私達からするとオンラインで費用がかかる事にやや抵抗感も。。。
 また、事務所又は自宅でのオンライン講習となるとどうしても他の仕事をしながらとなってしまう事があります。このようなやり方は一見、効率が良いようで講習をほとんど聞いていないとの事になっています。

構造設計者は対面の打合せ、事務所業務を重要視すべき!


 オンライン会議では打合せがやりづらいと感じている意匠設計者も多いでしょう。私達、構造設計者は意匠設計者から仕事を請けます。対面の打合せを拒むようでは仕事がなくなってしまうでしょう。良い建物を作るには積極的に対面での打合せを心掛けましょう。
 また、打合せテーブルに付いているアクリル板はもう不要ではないですか?せっかくの対面打合せなのに一枚の図面を共有出来ません。

 在宅勤務も減らし、会社・事務所に行くようにしましょう。通勤時間に様々な建物を見たり、建設現場を覗いたりするのは設計者にとって、大事なことです。通勤時間の無駄ではありません。
 もちろん、オンライン会議、在宅勤務にもメリットはあります。対面、出勤を基本とし、上手くオンライン会議、在宅勤務(テレワーク)を使うことが良いでしょう。








posted by 建築構造設計べんりねっと at 10:39| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム