私が今までに聞いたこのような構造設計者の発言を上げてみる。

構造設計した建物に対し、安全性の責任を聞かれ。。。
『私は基準に従って、構造設計をしているだけ。建物が地震で壊れるかどうかは分からない。』
構造設計した建物が万が一、壊れるような事があった際の責任を逃れるためであろう。
確かに想定外の大地震が発生する可能性もゼロではない。絶対にと言われると確かにそうかもしれない。だが、それに責任を持つのは構造設計者だろう。
政治家でも、プロスポーツ選手でも、医者でも、営業職でも、どのな職業でも絶対はない。しかし、結果に対しては責任を取らないとならない。
責任と言うのは地震で建物が壊れたら、弁済しろと言う事ではない。構造設計は常に多くの仮定の上で、不確定な要素が多い自然現象を相手にするものであることを理解し、常に自らの技術を高める努力を行い、誠意を持って設計することが構造設計者の責任である。
きっと、この人は責任感以上に自らの能力が不足している事に気付いているのだろう。
設計ミスが発覚し。。。
『見逃した確認申請、適判が悪い。しっかりとチェックしてもらわないと困る。誰でもミスはある。そのために確認申請、適判があるのだから。』
何か、勘違いしていませんか?設計ミスは設計者の責任です。では、確認審査機関、適判機関が何も責任を取らないかと言うとこのような事が起きれば行政処分を受けるとの責任は取っています。
誰だってミスがあるのは確かにそう。ですが、自らの設計を十分にチェックしましたか?自らの技術力を高める努力をしていますか?
杭、地盤改良業者の設計者が。。。
『私は提案をしただけです。それを採用したのは設計者の貴方。私の責任ではない。』
確かに法的責任は確認申請書、構造図面、構造計算書に記載された構造設計者です。もちろん、その構造設計者は安全性の確認を行い、責任を負う必要がある。
しかし、“提案しただけ”などと言うのであれば、設計などとなのらない方が良い。
構造設計が終わり、意匠設計者に対し。。。
『この建物は設計基準にはあっているが、安全とは思わない。変更するように伝えたが、そうしなかったそちらが悪い。』
もし、安全と思わないのであれば、その仕事を受けるべきでない。それを最後に言うのは卑怯。
こんな事を言っても、構造設計者としての責任は変わりません。