2021年04月18日

令和3年度より、構造設計一級建築士の試験制度が変わります。なぜ?目的は?

 建築技術教育普及センターのホームページで構造設計一級建築士 修了考査問題の出題形式・出題数の変更が案内されています。内容は以下の通りです。
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変更内容のポイント

 変更内容で一番大きな点は構造設計の科目で4肢択一式の20問がなくなり、法適合確認、構造設計の科目で各々10問、正答肢を選択するとともに選択した理由を記述する「理由記述付き4肢択一式」が導入されたことです。

 従来の4肢択一式とは一級建築士試験等の問題のように「次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。」と言う形式です。今後、正答肢を選択するだけでなく、その理由の記述が適切でないと正答ではなくなります。
 尚、従来の記述式問題は8問から6問に変更されていますが、これは大きな変更ではないでしょう。




制度変更の目的は?

 一級建築士の学科試験対策として有効なのは4択の記述について正しい内容を丸暗記することです。一級建築士学科試験は125問ですので、過去問10年分で1250問、過去問が出ることも多いので1000問程度の記述です。これを8割丸暗記すれば合格出来ます。
 それぞれの記述に記載された基準の背景、意味ではなく、丸暗記すれば良いのです。実務での応用は効かなくなりますが、私もこれで合格しました。

 構造設計一級建築士制度が始まり、10年以上経ちました。この間に日建学院や総合資格で過去問が分析され、合格手法が確立されてしまったのでしょう。
 実際に構造設計の実務経験がほとんど無い人でも合格してしまっています。中には意匠設計者も居ます。ここにテコ入れをしたいのでしょう。

世の中の流れは述式へ

 2020年度の大学入学共通テスト(旧大学入試センター試験)でも記述式問題を導入が検討されていました。目的は知識の量だけでなく、自ら問題を発見し、答えや新しい価値を生み出す力が重要になる、思考力や判断力、表現力をより重視した新しいテストにするとのことです。公平に採点できるのか不安視する声が高校側から多く出たことから導入は見送られましたが。

 これは構造設計においても同じです。建築基準法、各種構造基準を知識として覚え、構造計算プログラムの結果をOKにするだけでは安全な建物は設計できません。解析結果の妥当性を判断するのはセンスではなく、技術力です。この技術力を身に着けた構造設計者を構造設計一級建築士とし、制度を運用していくことが重要です。




設備設計一級建築士で追加修了者が

 令和2年度の設備設計一級建築士の修了考査で2名の追加修了者が発表されました。法適合確認の記述問題(図)で不適切な箇所および理由を回答する問題で不適切な箇所が2箇所あった事が発覚した為です。
 記述問題が増えるとこのような事が多くなるのでしょう。しかし、それを恐れていたら、進歩はないでしょう。

 間違いがあったら、今回の設備設計一級建築士のように間違いを認め、追加で修了させれば良い。そのためにはまず、構造設計一級建築士の修了考査問題およびその解答の公表が必要でしょう。
posted by 建築構造設計べんりねっと at 16:24| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム

2021年04月13日

『使える構造VE、コストダウン案50選』Boothでダウンロード販売開始!

 建築構造設計実務者のためのサイト『建築構造設計べんりねっと』で掲載した『建築構造の経済設計』を改稿、使える構造VE、コストダウン50選を追加し、全102ページにまとめました。(PDF版、2.06 MB)

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価 格 :1,500円
購入方法:ダウンロード販売(Booth)
決済方法:銀行振込、クレジットカード、楽天ペイ、PayPal、コンビニエンスストア決済


https://arc-structure.booth.pm/items/2882373

 使える構造VE、コストダウン案は具体的な金額を示しながらの実践的な手法であり、構造設計者のみならず、意匠設計者、工事施工者、デベロッパー・不動産会社関係者にも判る内容となっています。
大手ゼネコンが行うような特別な工法を採用するとのものではなく、実務で使え、効果がある手法です。


 設計が完了し、積算を行った所、予算がオーバーした。このような時にVE、コストダウンが必要となります。

 最初から経済的な設計が出来ている事がベストではありますが、設計段階では設計者の想い、検討時間(設計期間)、度重なる変更などの要因により、思い掛けず、コスト的な無駄が発生してしまう事があります。

 このような時に思いつきで変更を行ってもコストは下がりません。ポイントを抑え、VE、CDの検討を行う事が必要です。この書籍は建築構造の経済設計構造手法、VE、コストダウン手法をまとめたものです。


posted by 建築構造設計べんりねっと at 07:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済設計手法

2021年04月11日

保有耐力がギリギリは経済設計?

「断面、配筋多すぎないですか?」との指摘に
「保有耐力がギリギリとなっているので、これ以上落ちません。経済設計になっています。」と回答することはどうなのだろう?

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 構造特性係数Dsが最小値で、全てのフレームで全ての梁にヒンジが発生している全体崩壊形となっている状態であれば、そうとも言えるでしょう。

 そうでない場合は自分の構造設計技術が低いと言ってるようなものです。






 保有耐力設計は構造設計者により、大きく結果が変わるものです。とんちんかんな補強、対応をすると無駄なコストが上がるだけです。
 一貫構造計算プログラムで解析を行えば、誰がやっても結果が同じと言う事はありません。

 一次設計で全ての部材の検定比がギリギリなのは経済設計と呼んでもよいが。



posted by 建築構造設計べんりねっと at 08:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済設計手法