2020年03月11日

RC柱頭配筋の不思議@

 最上階なので、そんなに大きな問題にはならないような気がするが、仕様がハッキリとせず、施工も困難で現場からも多くの要望が来るのがRC造の最上階柱の柱頭配筋。
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 RC柱頭配筋は、どのようにすべきか考えてみる。




RC柱頭配筋の基本
 RC柱頭配筋の最もオーソドックスな方法は、柱主筋を梁に直線でL2定着柱の四隅の主筋の末端に180°フックである。
柱頭配筋.png

 RC柱頭配筋に必要な性能としては以下になります。
・柱と梁を一体化する。(L2定着)
・柱主筋の付着強度を保つこと。(四隅のフック)

RC柱頭配筋に関する問題点
 まず、RC柱頭配筋における問題点をまとめる。

@主筋の末端にフックを付けることで梁配筋を行うのが困難になる。

A柱の主筋はフックのために梁上端筋の下で止まることになり、無筋状態の部分が発生する。

B一般的な柱の主筋径、梁せいからすると柱主筋の十分な定着長を確保するのが難しい。

C建築学会の配筋指針も仕様が不明確。

Dそもそも、フックが何故、必要か良く分からない。

各種指針、標準図の仕様
 各種指針、標準図におけるRC柱頭配筋の仕様を整理してみる。
【東京都建築士事務所協会】
 構造図に添付する構造標準図で最も多く使用されている東京都建築士事務所協会の配筋標準図では以下の2通りの納まりが載っています。

@柱主筋をL2定着、四隅の主筋に180°フック
柱頭配筋@.png

A仕口部内で重ね継手をするカゴ筋納まり
柱頭配筋A.png
 柱主筋を直線で頂部まで伸ばし、カゴ筋で重ね継手をする。カゴ筋にはフックは付いていない。
 フック無しとし、施工性を改善すると共に無筋部分を改善した納まりです。また、定着長不足も改善されます。



【日本建築学会(配筋指針)】
 建築学会の配筋指針には以下の3通りの納まりが載っています。
B柱主筋をL2定着、頂部に拘束帯筋
柱頭配筋B.png
 あれっ?フックがないぞ!拘束帯筋でフックの代わりになるのか?

C柱を立ち上げ、L2定着を確保
柱頭配筋C.png
 柱を立ち上げる事で定着長を確保すると共に仕口部でのフックと梁主筋の干渉を改善した納まりです。無筋部分も改善されます。
 但し、建物中央部の柱では防水工事が煩雑になります。
 頂部は二重帯筋となっているが、拘束帯筋と何が違うのだろうか。また、これで柱と梁は一体化が出来ているのだろうか?

⓹柱主筋を梁下で止め、カゴ筋で重ね継手
柱頭配筋⓹.png
 柱主筋を梁下で止め、上からU字形のカゴ筋をかぶせ、重ね継ぎ手する。四隅の鉄筋の末端は下からの主筋も上からのカゴ筋もフックを付ける。
 東京都建築士事務所協会のカゴ筋にはフックが付いていないが、こちらには付いている。
 フックを付けたカゴ筋を梁鉄筋を組んだ後に差し込むのは困難。。。

【関西建築構造設計事務所協会】
E柱主筋にフック+拘束帯筋
柱頭配筋E.png
 柱主筋のフックに加え、拘束帯筋が付いている。建築学会の仕様では拘束帯筋フック無しとなっているが、拘束帯筋はフックの代わりにはならないとの仕様だ。

【日本建設業連合会】
F柱主筋四隅180°フック+柱内拘束筋
柱頭配筋F.png
 日本建設業連合会の配筋標準図では柱主筋をL2定着、四隅の主筋に180°フックに加え、柱内拘束筋が必要となっている。


 その他の仕様としては、定着板を用いる方法や柱主筋を直線L2定着させ、フック付きの付けアンカーを行う方などがる。

様々な仕様があり、良くわからなくなったが、やはり、問題はフックの必要性だろう。




posted by 建築構造設計べんりねっと at 07:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 構造設計メモ