2020年02月07日

横架材間の垂直距離

横架材間の垂直距離とは何処?
 横架材間の垂直距離とは、ずばりここです。
横架材間の垂直距離.png




 横架材とは施行令第一条で「はり、けたその他これらに類するものをいう。」と定義されており、「横架材間の相互間の垂直距離」とは、その内法です。

 では、この「横架材間の垂直距離」が何に係るかと言うと施行令第四十三条 (柱の小径)で「横架材の相互間の垂直距離」に応じた木造柱の小径が規定されています。

 他に「横架材の垂直距離」による規定としては何があるかと言うと壁式鉄筋コンクリート造の最小壁長さがあります。耐力壁と出来る最小壁長さは開口高さの30%以上となっています。
 壁式鉄筋コンクリート造では開口の上下が梁になりますので開口高さが「横架材間の垂直距離」になります。
壁式.png

 横架材間の垂直距離による規定があるのは木造と壁式鉄筋コンクリート造などのいわゆる壁構造の構造物になります。

階高(意匠)、構造階高、横架材間の相互間の垂直距離の違い
 なぜ、横架材間の垂直距離で規定されているものがあるかを考える前に意匠上の階高、構造階高、横架材間の相互間の垂直距離の違いについて、説明します。下図に示す通り、意匠上の階高、構造階高は違います。横架材間の垂直距離は構造階高とも違います。
階高.png
 意匠上の階高は各階の床仕上げ間の高さです。そして、構造階高とは構造計算を行うための階高です。構造解析は大きさを持つ柱、梁を線材にモデル化します。梁芯間が構造階高になります。

なぜ、横架材間の垂直距離?
 では、なぜ、横架材間の垂直距離による規定があるかを考えてみます。

 施行令第四十三条 (木造柱の小径)の規定は、座屈に対する規定です。座屈長さは柱の実長である横架材間の垂直距離で決まるとの考えなのでしょう。

 壁式鉄筋コンクリート造の最小壁長さの規定は必要な剛性、強度が横架材間の垂直距離に影響されるとの考えです。

 座屈に対する仕様規定としては鉄骨造柱の細長比があります。これは横架材間の垂直距離ではなく、座屈長さで高さを考えます。通常は構造階高です。
 同じ座屈に対する仕様規定でも高さの取り方が違います。

 ここで不思議(矛盾?)なのは、壁式鉄筋コンクリート造、他の構造では構造計算は構造階高で行いますが、木造の構造計算は構造階高ではなく、横架材間の垂直距離で行う事となっています。
 柱の圧縮力や接合部に発生する引抜力に主眼を置けば、これも実態に近いとも言えますが。

 座屈の検討は横架材間の垂直距離か、構造階高か?
 
 部材の取付き方にもよるし、部材のサイズ(せい)も影響するでしょう。また、吹き抜きなどに面しているとその長さの取り方も変わりますので注意が必要です。







まとめ

・基準法上の横架材間の垂直距離による仕様規定の確認は上下の梁の内法でOK。
・但し、あくまで仕様規定。構造設計には工学的判断が必ず必要。


posted by 建築構造設計べんりねっと at 16:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 構造設計メモ