2019年07月28日

建築倉庫ミュージアム『構造展 -構造家のデザインと思考』に行ってきました。

東京都品川区にある建築倉庫ミュージアムで開催されている『構造展 -構造家のデザインと思考』に行ってきました。

場所は東京モノレールまたはりんかい線の天王洲アイル駅から、徒歩5分の場所です。
チケットはネットでの事前申込制となっています。名前や住所などを入力し、申し込み。受付でバーコードを表示して、入場します。スマホでその場で手続きして、入場する事も可能です。

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詳細は以下のURLを参照
https://archi-depot.com/exhibition/structural_design


内容としては、日本の構造家50名の構造模型、接合部などの実物モックアップや構造計画のスケッチなどが展示されています。

作品としては内藤多仲(東京タワー)、坪井善勝(国立代々木競技場)の時代から、2017年構造デザイン賞の新豊洲ブリリアランニングスタジアム(萩生田秀之氏)、2018年構造デザイン賞の籤 -HIGO-(山脇克彦氏)など最近のものまであります。 もちろん、佐々木睦郎先生のせんだいメディアテークなども。

また、多数の構造家のインタビュー映像が流れています。今回の企画のために撮ったものと思います。

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これらの模型は今回の展示のために作成したものではなく、実際の計画の時に構造システムの検討を行うために作成されたもののようです。構造模型なので力の流れや構造計画が見えるものとなっているので、とても面白いです。もちろん、これらの建築作品は実在しているものであり、現地で建物を見る事は可能ですが、構造体は施工中でないと見れる部分が少ないので、構造設計作品を理解する上で、これらの模型は貴重です。

構造計画、構造システムを検討している時のスケッチや構造図などもなかなかい目にする事は少ないものです。これらには構造家の感性や思いが伝わってきます。

インタビュー映像の中で金箱先生が以下のような事を話していました。
「構造計画、構造システムを考えると言う事は試験の問題を考えるようなもの。そして、力学と言う普遍的なもので答えを解いていく。これが構造設計という行為。スマートな答えを導きだせるようにするためには問題(構造計画、構造システム)が大切。」

展示してあるスケッチからは、この問題(構造計画、構造システム)をどう作るかとが伝わってきます。


展示を見る時間としては1時間から2時間程度です。

10月14日(月・祝)まで開催されているようなので、構造設計者の方はぜひ、どうぞ!なお、会期中は出展構造家によるギャラリートーク、構造家×建築家をテーマにした様々なイベントも開催予定ですので、イベントに合わせて、行った方が良いと思います。






posted by 建築構造設計べんりねっと at 08:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年07月16日

構造設計者の皆さん、フルハーネス型安全帯の特別教育は受けましたか?

平成31年2月1日より、従来の胴ベルト型安全帯から、フルハーネス型安全帯を使用する事になりました。

このフルハーネス型安全帯を使用するには特別教育が必要です。

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労働安全衛生規則第36条−41
高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務(ロープ高所作業に係る業務を除く。)

https://www.rougi.or.jp/course/whole/tokubetu_fullharness

さて、私達、構造設計者が現場の検査、監理を行う所は基本、「高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難な所」には該当しないと思いますが、安全管理上、高さ2m以上の場所に行く人には全員、フルハーネス型を要求するゼネコンが増えてくるのではないかと思います。

そうなっては、検査や監理が出来なくなります。

猶予期間はあるようですが、早めに受講するのをお勧めします。




posted by 建築構造設計べんりねっと at 22:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース

2019年07月09日

一次設計と二次設計、どっちが大事?

一次設計と二次設計のどちらが大事ですか?

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【一次設計】
震度:5強程度
計算方法:許容応力度計算
設計目標:部材が損傷しないこと

【二次設計】
震度:7
計算方法:保有耐力計算
設計目標:建物が倒壊しないこと

もちろん、どちらも基準値を満足しなければならないもので比較するものではないと思うが、あえて、比較してみる。

比較しやすいように以下の2通りの建物で考える。

●ケース1
許容応力度計算には、十分な余裕がある
保有水平耐力はギリギリ

●ケース2
保有水平耐力には、十分な余裕がある
許容応力度計算はギリギリ

どちらが良いでしょうか?





建物性状で考えるとケース2の方が、“靭性が高い”と言うことになる。早期に降伏し、変形に追従する。まさに保有水平耐力の考え方です。
構造計算は保有水平耐力がOKになって、終了。構造設計者もどちらかと言えば、ケース2を意識しているのでは。

とすれば、二次設計の方が大事?

なにやら、昔の柔剛論争のようだ。

ここでは、そんな高尚な議論ではなく、ユーザー(お施主様、クライアント、住宅購入者)にとって、どちらが良いか、考えてみる。

構造設計者:「構造設計をするにあたり、ケース1とケース2が選べますが、どちらにしますか?建物の費用は変わりません。
具体的にはケース1は震度6強まで建物は損傷せず、そのまま、使用出来ます。震度7に対しては倒壊しません。
ケース2は震度5強を越えると建物は部分的に損傷し、補修が必要となったり、継続使用が出来なくなります。但し、震度7を越える想定外の大地震にも倒壊しません。」

ユーザー:「震度7を越える想定外の大地震とは、震度いくつ?東日本大震災、阪神大震災は?」

構造設計者:「震度は7までしかありません。東日本大震災、阪神大震災も震度7です。」

ユーザー:「でも、結局、建物が使えなくなるのは変わらないんですよね。それでケース2は、何のメリットがあるのですか?ケース1でも震度7に耐えるのですよね?」

構造設計者:「もちろん、ケース1でも震度7に耐えます。しかし、想定外と言うのはあるものでして。。。」


極端な例での比較かもしれませんが、ユーザーにとっては、より継続的に使用出来る建物を望むのではないでしょうか?

そう考えるとブレース構造や壁構造のようなDs値が高い建物の方が優れている?
posted by 建築構造設計べんりねっと at 22:26| Comment(1) | TrackBack(0) | コラム