2018年06月25日

建設業界の長時間労働規制、構造設計事務所に負担が、・・・

政府が主導する『働き方改革』が建設業界にも及んできており、様々な動きが出てきました。
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・週休2日制の工事現場
・不当な短工期による発注を法規制
・フレックスタイム制のゼネコン
・大手ゼネコン社員は有休の強制取得など
・残業時間の制限

このような指示を出す会社側は無策で時間短縮を指示する。

具体策もなく、「業務を効率化しろ!」。「アウトソーシングしろ!」しかし、経費が増えるのは認めない。

どのようになるかは容易に想像付くでしよう。

・下請構造事務所は、仕事は増えるが単価は下がる。
・利益は変わらず、業務時間だけ増える。
・現場の稼働日が減るので早期着工を求められ、設計工期が減る。
・挙げ句の果て、元請け社員は有休、フレックス、残業制限で連絡が取れない、曖昧な依頼が多くなる。



更に言うと現場の職人さんの労働時間が減る分、単価が上がる。この分は、まず、構造躯体へのコストダウン要求に繋がる。

構造設計事務所への負担が増えるのは目に見えてる。

建設業界で最も従事者が多い作業員の労働時間を減らすのは平均値を下げるのに最も効果的であろう。

しかし、バランスを考え、全体の仕事の流れを考えないと建設業全体への不況も免れない。
以前の法改正による「国土交通相不況」などと言われたのを忘れたのか?
構造設計が廻らなくなると建設業全体がおかしくなるのは過去の事例でも明らかだ。

posted by 建築構造設計べんりねっと at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム

2018年06月18日

AIによる構造設計の法的責任

サッカーワールドカップが開幕しました。
今大会では、ビデオで判定を補助するVAR(ビデオアシスタントレフェリー)、
ゴールインを自動判定するゴールラインテクノロジーなどのテクノロジーが導入されています。

今まで人間が判断していたものが機械に委ねられるようになりました。これからも様々な判定が機械に委ねられるようになるでしょう。
しかし、これはどのくらいの精度があるものなのでしょうか。また、システムにトラブルがあった場合は誰が責任を取るのでしょうか?

最終責任は審判ですか?他の人が作った機械による判断の責任を別の人が取るのでしょうか?

車の自動運転技術も同じような議論があります。
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さて、AIを構造設計に導入する研究も行われています。構造設計AIが出来た際の設計責任は、誰に属するのでしょうか?また、建築士法はどのように変わるのでしょうか。

プログラム(AI)メーカーではなく、あくまで各構造設計者(人間)の責任になるとしたら、プログラム(AIシステム?)のアウトプット、計算過程のチェックが必要です。ここで自分の考えに合わない場合は修正指示をする。これでは人工知能ではなく、ただのオペレーターです。






構造設計AIが実現した近未来では、設計内容をチェックするために構造設計者(人間)が昔(現在)の一貫構造計算プログラムを使って、妥当性を確認するとか笑えない状況になってるかもしれません。

そもそも、スポーツのルールも構造設計の基準、構造計算も完全なものではありません。また、予期せぬ事態、不確実性と言うものもあります。この中でも唯一無二の解を求めるなど、意味のない事かもしれません。

最終責任は構造設計者にある、AIの行った設計を隅から隅までチェックしないとならないなら、AIよりも自分のクローンを作ってくれたら、構造設計者は喜ぶ。
学習させればクローン的になるのだろうか。

今ある大臣認定プログラムもバージョンアップがあるとそれで設計された建物は既存不適格になる。(変更、改定内容によるが)

構造設計AIもバージョンアップがあると、構造設計AI君は「それは前のバージョンだから」と他人事のように対応するのだろうか。
posted by 建築構造設計べんりねっと at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム