2018年02月26日

構造計算プログラム『ASCAL』価格は他社の1/5以下、そして他社より高性能

『建築構造設計べんりねっと』で行ったアンケート「至上最強の高性能の一貫構造計算プログラムは?」では、Build一貫X(構造ソフト)がSS7(ユニオンシステム)を押さえて、第一位でした。

まあ、ユーザーが多い三大メジャープログラムが上位を占めた結果です。

「使いやすさ」ではなく、「高性能」では、私の予想は、SEIN La CREA(NTTファシリティーズ総研)、Midas e Gen(マイダスアイティジャパン)、ASCAL(アークデータ研究所)辺りが上位を占めるのではと思っていました。

私の会社では、Super Build、Build一貫、SEIN、Midas、ASCALの五種類の一貫構造計算プログラムを保有しています。

メインは、SS7です。Build一貫は協力設計事務所とのデータ共有用。SEINは持ってるだけ。Midasは一貫計算よりも特殊な部分計算用に使用しています。

マニアな社員が居るので、ここまで増えたのですが(笑)

そして、ASCALは、ある複雑な建物を設計するために導入しました。グリッドフリーで解析したい形状があったのです。

まあ、SEINでも解析出来たのだと思いますが、昔のN T TデータのBuildの使いづらいイメージがあって、敬遠気味。

Midasは圧倒的な高機能がありますが、一貫計算よりもFEMのような特殊な解析のイメージがあったので、使いやすさの面でASCALを採用しました。

ascal1.gif

まあ、この3つのプログラムは事実上の高性能プログラムのベスト3でしょう。

さて、価格です。ASCALは26万円で導入出来るのです。Build一貫は150万円程度。Super Buildは、もっとします。

正直、企業にとっては一本が数十万円でも、百数十万円でも大した差はないのですが、あの高性能でこの価格は凄いと思います。

インターフェースも馴染み安く、使いやすい感じです。

そりゃそうですよね。ASCALの株式会社アークデータ研究所の社長の吉沢氏は、構造計画研究所を経て、株式会社 構造ソフトの取締役だった方です。構造計算プログラムを知り尽くした方です。

私はプログラムやシステムなどは専門外でありますが、一度、使ったプログラムやシステムは古くなったからと言って、一から作り直すのは、かなり時間、投資が必要になり、難しいと聞いた事があります。システムだけだはなく、様々な工場などの設備もそうです。

構造計算プログラムを知り尽くした人が最も最近に開発したものが、最も高性能なものであるのは間違いありません。

しかし、過去の設計データの利用、プログラム修得の手間、導入費用などの問題で新しいプログラムを導入するのをためらう会社が多いのも事実です。構造計算プログラムのみではなく、他のアプリケーションも同じです。

ですが、過去の設計データで再検討を行う事は、どのくらいあるのでしょうか?ほとんどないと思います。

また、ASCALは26万円で導入出来てしまいます。導入費用も少なく済みます。

一つ問題があるとしたら、他社とのデータ共有をしづらい点がありますが、現状も3つの構造計算プログラムがシェアを分けあっている事を考えれば、これも問題にはなりません。

新たに事務所を立ち上げるのであれば、ASCALがオススメです。




ちなみにアークデータ研究所の吉沢社長も「建築構造は日大理工学部がNo.1説」通り、日大理工学部の出身でした!

posted by 建築構造設計べんりねっと at 10:00| Comment(1) | TrackBack(0) | レポート

2018年02月23日

構造設計とは?

ネットで「構造設計とは?」と検索すると大辞林で以下のように記されています。

建築物の構造にかかわる部分の設計。安全性・機能性・経済性を考慮して、主として力学的な面から構造の形式・材料を選定し、部材寸法を算定すること。

一般の方への説明ではなくて、構造設計者にとっての「構造設計とは?」を考えたい。

『建築構造設計べんりねっと』の考える構造設計

似た言葉で構造計算がある。

同じく、大辞林で調べると

建物を設計する際に、安全性を客観的な数値で計算すること。

思い込みではなくて、客観的である事はもちろん大切である。しかし、構造計算だけで全てが決まる訳ではない。

似た言葉、近い言葉でも我々、構造設計者にとっては大きく違う。我々は、構造計算ではなく、構造設計をしている。
我々の仕事を構造計算などと言われると侮辱されているようにも思ってしまう。構造計算ではなく、構造設計をしてるのです。

では、「構造設計」とは、何なのか?

既に多くの議論がされている事であると思うが、共感を覚える考えを紹介したい。

『日建設計の考える構造設計』
http://www.nikken.co.jp/ja/about/recruit/department/department03.html

「私たちは、構造設計のみならず、建物の設計すべてに責任を持つ設計者です」

補足の説明にあるチャレンジャーであるべきかは別として、“建物の設計の全てに責任”を持って設計しているのです。

構造設計とは構造安全性、構造経済性のみではなく、機能性、意匠デザインの実現性、施工性を考え、行うものです。立派な構造理論だけではなく、意匠の納まりの理解、施工についての理解が必要です。そして、それらをトータルで考え、設計、提案を行います。

決して、構造屋さんのこだわり、わがままだけで設計している訳ではないのです。

『構造設計一級建築士の資格取得講習テキスト』にあった言葉を要約、私なりの理解。

構造計算とは、たくさんの仮定の上で、また、施工時応力や建物の使用状態による応力など評価が難しいものがある中で“一つの釣り合い”を求めてるに過ぎない。構造計算プログラムの解析結果もユーザーが指定した条件の中での結果に過ぎない。

だから我々、構造設計者は、それを理解し、工学的な判断を行い、最終的な判断を行う必要がある。

一貫構造計算プログラムの解析結果は絶対の真理ではない!構造設計は、構造計算プログラムの解析結果を理解する事ではない。
構造計算プログラムで選択できる解析条件をを全て、ONにする事が正しい解に近づくとは限らない。

「構造設計の目的」の一つは安全な建物とする事です。神のみぞ知る建物に生じる正確な本当の応力を求める事ではありません。

工学的な判断と安全性を確認する手法を駆使し、建物を計画する事が構造設計です。

もう一つ、「構造設計とは」を考えるにあたって、重要な提言があります。

日本建築学会の提言『建築の構造設計-そのあるべき姿』です。
http://www.aij.or.jp/scripts/request/document/20100419-1.pdf

構造設計一級建築士の講習でも見た内容と思います。この中で特に共感を受けたものを紹介します。

「構造設計者には、倫理的行動、広範な洞察、的確な情報伝達、職能研鑽が求められる。」
構造設計者には職能研鑽が求められます。昨今、働き方改革、ワークライフバランスなどの言葉が流行っており、業務時間に制限があり、構造設計を深く考える時間も制限されている。しかし、我々、構造設計者は常日頃から構造設計に関わる情報、考えを収集し、研鑽しないとならないのです。


「法律は最低限の構造安全性を要請するが、構造設計における十分条件ではない。」
法律、基準であるが故にその適用の範囲が定められる事があります。しかし、適用外であるから準拠しないではなく、その基準の背景を理解し、採用について判断する事が必要です。
場合によっては、それが必要ないと判断した時は最低限、法律を準拠した上で自分の主張を行う事も必要です。


「多様な建築の構造を実現するための研究、次世代の構造設計者の育成が必要である。」

研究については、大学や企業の研究者に任せるとして、次世代の構造設計者の育成も我々の責務です。
今は働き方改革などで構造設計に没頭できる時間も限られるのも現状です。しかし、次世代技術者のためにそのような十分な時間と機会を作る事が必要です。
もちろん、次世代技術者も自ら、学ぶ姿勢が必要です。

以上を踏まえて、『建築構造設計べんりねっとの考える構造設計とは』

1. 構造設計とは、構造安全性のみならず、建物の全て(建物デザイン、機能性、設備、施工性)に責任を持って、構造設計の判断をする事である。

2. 構造設計とは、法律や各種基準などの“ルール”を守る事のみではない。構造計算プログラムの結果をOKにする事のみではない。
工学的判断のもとに安全性を確認する手法にて建物を計画する事である。

3. 構造設計とは、過去の設計の妥当性を説明する事ではない。常に新しい知見を取り入れ、進歩しないとならない。その為に構造設計者は常に新しい情報の収集、自己研鑽をしないとならない。

これらのために『建築構造設計べんりねっと』は建築の構造設計に関する有益な情報を何処よりも速く、正確に伝えます。また、構造技術の進歩、自己研鑽のための議論を行う場を提供し続けます。

posted by 建築構造設計べんりねっと at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム

2018年02月22日

スマホだけで建物まるごと構造設計に挑戦!F

最後は基礎の設計です。

条件は以下の通り

基礎形式:直接基礎(独立基礎)
基礎下端:GL-0.80m
地耐力 :100kN / u
礎柱  :560×560(ベースパック保有耐力接合タイプ)






まずは、軸力の算定。

 X1-Y1
 屋根 0.65×3.0×4.0=7.8
 外壁 0.50×7.0×4.0=14.0
 床  6.70×3.0×4.0=80.4
 梁  24.0×0.5×0.9×7.0=75.6
    24.0×0.35×0.7×3.0=17.7
 ─────────────────────────
 合計 195.5kN

X2-Y1
 屋根 0.65×5.0×4.0=13.0
 外壁 0.50×5.0×4.0=10.0
 床  6.70×5.0×4.0=134.0
 梁  24.0×0.5×0.9×9.0=97.2
    24.0×0.35×0.7×3.0=17.7
 ─────────────────────────
 合計 271.9kN

(1)基礎の設計
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(2)地中梁の設計
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X方向大梁は地中小梁と同等以上とし、以下のようにします。
350×900
    端部   中央
上端筋 4-D19   4-D19
下端筋 4-D19   6-D19
STP   D10@200


これで、建物全部の構造計算が完了です。

posted by 建築構造設計べんりねっと at 00:27| Comment(0) | TrackBack(0) | レポート