2016年08月28日

頑張れ!日本建築センター

構造設計者の皆さんは日本建築センターに対して、どのようなイメージを持っていますでしょうか?

私のイメージは「日本建築センター」≒「国交省(建設省)」。日本の構造設計基準を作る機関、大臣認定の審査(評価)を行う機関、超高層などの難易度の高い建物の評定を行う機関です。

建築業界で“センター”と言えば、誰もが“日本建築センター”の事とわかります。

敷居が高く、出来れば、センターに係る仕事はしたくない。

平成19年の法改正で導入された大臣認定プログラム制度も確認審査が簡略化されると言っても、センターに確認申請を出さないとならないと言う事が定着しなかった原因の一つでもあると思います。

悪く言えばお役所的な機関。。。

最近、日本建築センターに適判を数回、出す機会がありました。以前の私のイメージと全く違い、対応が凄く良い。もちろん、審査は適正に行われ、鋭い指摘も多数。でも、一時期、他の適判機関で問題になったおかしな指摘はありません。上から目線などもありません。

でも、私的には「ん???」こんなの日本建築センターじゃないぞ!


いつから変わったかと言うと2011年(平成23年)、センターが、“一般財団法人”に移行してからです。
2008年に施行された公益法人改革により、センターも一定の利益を上げることが必要になりました。建築確認審査、適判なども積極的に請けないとならない状況になったのです。この事がサービスが良くなったことに影響していると思われます。

なにやら、ERIやビューローベリタスと同じになってしまったような。。。

この公益法人改革は、建築業界にとって良い事だったのでしょうか?私は寂しく感じます。日本建築センターにはもっと格を持ってもらいたい。

今では建築基準法と同じ扱いがされている「建築物の構造関係技術基準解説書」。これも元々は日本建築センター
が「建築物の構造規定」などとされ、発刊していたものです。昔から、この指針は建築基準法とイコールです。
この指針がないと構造設計ができないものでした。

2007年からは、全国官報販売協同組合の発刊になり、「黄色本」などと言われるようになりました。

おいおい、黄色本じゃなくて、センター指針だろ!

確かに問題のある公益法人もあったのでしょう。しかし、私は日本建築センターには以前のセンターに戻って欲しいと思います。

日本建築センターで「評定・評価」を取ったことが構造設計者のステータスになるような機関であって欲しいです。





posted by 建築構造設計べんりねっと at 09:52| Comment(0) | コラム

2016年08月13日

ネット情報で構造設計を完結させてしまう構造設計者

今年も新入社員が入ってきました。
まだ、研修と言うか、お勉強と言う感じで小さい建物を練習で構造計算中です。

私が指導している訳ではないのですが、少し除いてみたら、インターネットで調べながら、やっています。
見ていたページは、『構造設計者になろう!』の 「構造設計講座(RCマンション編)」


そうです。私が作ったページです。

もちろん、人に見てもらう為に作ったものであり、見てくれるのは嬉しいのですが、机の上には構造設計の指針等はなく。。。
当然、「ネットで調べる前に技術基準解説書とかRC規準を読もうよ」と言いましたが。

この新入社員に限らず、最近の若い設計者は自分で構造の指針、文献を買わない人が多くなっているように感じます。
以下のようなページでも書きましたが。


確かに専門書は安くありません。会社でも買いますし、改訂される度に個人で購入しろとは言いませんが、一度は自分で購入して、隅から隅まで読むものだと思います。

ネットも便利ですが、その情報、値、計算式で自分で根拠、出典も調べずに建物を設計してしまう人には驚きです。

他には何か判らない事があると日建学院の一級建築士テキストを調べる人。
更に正体不明なフリーソフトをダウンロードして、計算内容も確かめずに設計してしまう人。

以前、ネットで調べた内容で設計しようとしてる若い社員に「その情報が間違い無いことの裏はとったの?」と聞いたところ、「疑い出したら、キリがないですよ。便利なものは使った方が効率いいじゃないですか」と答えた社員がいた。

時代の違いなのでしょうか?

学会指針をはじめ、多数の文献に書いてある内容と比較したら、ネットにある情報など僅かです。どちらも上手く、有益に使いたいですね。
posted by 建築構造設計べんりねっと at 17:43| Comment(0) | コラム

2016年08月07日

これで良いのか?矛盾だらけの地盤改良杭

地盤改良と言えば、表層改良や柱状改良などセメント系の地盤改良が思い浮かびますが、ある程度の間隔で連続的に配置した小口径の鋼管杭も地盤改良と扱われています。
いわゆる杭状地盤改良です。

しかし、この杭状地盤改良には、たくさんの矛盾があります。





まず、点で支持する杭が面での支持力度としても評価になります。杭支持力を負担面積で割り、単位はkN/uです。杭のピッチと杭径にもよりますが、地盤改良杭として扱われるには間隔は2m程度以下となっています。杭径は小口径鋼管杭だと139.8φ程度です。改良率(面積)としては0.4%です。これが杭のない部分の地盤もあたかも強度があるように扱われています。

基礎スラブを設計する際の反力を考えても、等分布で荷重を作用させるよりも集中荷重で作用した方が応力も大きくなるのは誰でもわかる事です。

これは設計者の手間を少なくするために無理矢理考えたやり方です。

次に地盤改良杭と扱えば、場合によっては水平力の検討も不要になります。確認審査機関と「これは杭ですか?地盤改良ですか?」と意味の分からない遣り取りがされています。

なぜ、水平力の検討が不要になるかと言うと、地盤改良杭とする場合、通常は基礎形式をべた基礎か布基礎とするため、杭を配置する部分のXY両方向に地中梁がない箇所があり、杭頭曲げモーメントが処理出来ないからです。
だから、検討しなくて良い?それが許されるなら、他の部位でも応力が処理出来ないから、検討しないと言うのがまかり通ってしまいます。

それでも検討している例を見ますと杭頭をピンとして評価しています。基礎と緊結していないからとの理由で。

同じく、これが許されるなら、通常の杭基礎でも杭と基礎を緊結せず、地中梁のは杭頭曲げモーメントを考慮しません。地中梁の断面は大きく変わります。

これも全て、設計者側の都合です。

もちろん、木造2階建ての住宅に対して、ここまでを言う気はありません。
しかし、小規模とは言えない建物に対してもこのような設計が行われている事もあるのです。

これはどうかと思いますが。
posted by 建築構造設計べんりねっと at 13:25| Comment(2) | コラム